第8話 教室に監禁?〜あれ?意外といい人達なのだが?

「あの、俺になんのようでしょうか?」


 試験を終え、帰ろうとしていた俺は、女子生徒に呼び止められた後、とある教室にいた。


 そして……

「お、男だ。本物の男……!」

「し、写真撮らなきゃ……写真……」


 フラッシュをたかれていた。

 えーと。俺は人気俳優とかじゃないんですけど……。


「どういう状況これ?」


「あはは……本当にすいません……」


 唯一正常なのは試験場まで案内してくれた女の子だけのようだ。


「とりあえず自己紹介いるかな? 俺は鳴海隼人だ」


「まだ2人は興奮気味なので私から自己紹介しますね。私は朝倉陽茉莉あさくらひまりです」


 ちなみに朝倉さんは凄く可愛い。

 ピンク色のショートカットに紫色の瞳。そして大きい。何がとは言わないが凄く大きい。


 案内してもらった時には少し取り乱した様子だったけど、今は落ち着いて、しっかり者の印象だ。


「よろしく朝倉さん」


「あ、ひまりんだけずるいー! うちは大江真央おおえまおだよ!」


「わ、私は城ヶ崎 詩織じょうがさきしおりよ」


 朝倉に続いて大江さんと城ヶ崎さんも自己紹介をしてくれた。


「大江さんに城ヶ崎さんだね。2人もよろしく」


「「はぅ……!!」


 あ、出たこの反応。


「朝倉さんは平気なんだね」


「わ、私もかなり危ないかな……私はさっきも鳴海くんに会ってるから……」


 本当だ。2人みたいに腰が砕けてないものの、頬が赤い。


「それで、俺をここに連れてきた理由を教えてもらえるかな?」


「分かりました。ほら真央ちゃん、詩織ちゃん、戻ってきて〜〜!!」


 2人を揺さぶっている朝倉さん。


「はっ! ここは天国?」

「うぅ……」


「違うよ。ここは教室。ほら、鳴海くんをここに連れてきた理由を説明する」


 なんだろう。朝倉って絶対面倒見いいよか。なんかお母さんぽい。


「そ、そうね。コホッン。まずはなんで男の人がこの学園にいるのかしら?」


 そう質問をしてきたのは城ヶ崎さん。濃い紫色の長髪に、桜色の瞳の美人だ。あとやっぱり大きい。何がとは言わないが。


「ここの編入試験を受けていたんだよ」


「へ、編入試験!? じゃ、じゃあこの学園に通うの!?」


 そう驚いた反応をした大江さん。

 金髪ボブに茜色の瞳。胸元を開けていて、見た目は活発系美少女だ。ちなみに2人に比べると少し小ぶりだ。何がとは言わないが。


「合格したらね。それで俺をここに連れてきた理由は……」


 理由を聞きたいのに教えてくれない2人。


「た、多分だけど、2人ともただ単に鳴海くんと話したかっただけかも……」


 ギクリ


 朝倉さんの言ったことが図星みたいな反応をする2人。


「そ、そうなんだ。じゃあ俺、そろそろ帰っていいかな?親が迎えに来てるんだ」


 スマホの電源は流石に試験だったから消しているけど、母さんから凄く連絡きている気がする。


「あ、うん。ありがとうございました鳴海くん」


「こちらこそ、さっきは案内してくれてありがとうね朝倉さん。じゃあ大江さんも城ヶ崎さんもまたね!」


「「あっ!!」」


 2人の名残惜しそうな声がしたが、教室から急いで母さんの待つ場所へと走って向う。

 集合場所へ着くと、母さんが遅いと少し怒っていたが、「ごめんなさい」と謝ったらすんなり許してくれた。


 大江さんと城ヶ崎さんはまだよく分からないが、朝倉さんはいい人だと思う。学園では朝倉さんを頼れば大丈夫だな。


 学園生活をする上で頼もしい存在が出来たのであった。

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