第6話 引きこもるのはやめます〜学校へ行きたいようだが?

 あれから引きこもりの生活が3日続いた。

 女性にあんなに注目されたのは初めてで、外に出るのが気が引けたが、ダラダラとした引きこもり生活には耐えれなくなっていた。


「みんな聞いてくれ」


夕食。母さん手作りのトンカツを食べている中、そう切り出す。


「俺は引きこもり生活をもうしたくない。体質的に合っていないんだ。だから学校に行きたい」


「ダメよはぁ君! こんなにもカッコいいいはぁ君が学校に行けば、他の女の子達に襲われてしまうわ!!」


 俺の意見に反対する母さん。


 えぇ……学校に通うと女子に襲われるの……?


「ダメよ隼人! 学校の女どもは男性に飢え過ぎているから、あんな危険な環境に隼人を置いてはいけないわ」


 続いて姉さんも反対する。


 えぇ……学校って危険なとこなの……?


「そうだよお兄ちゃん! 学校はダメ!

お兄ちゃんが襲われてなくなっちゃうよ!!」


 加奈も反対のようだ。


 えぇ……学校でなくなるの……?


 てか本当にそこは学校なの? 学校行くだけなのにやばいすぎだろ……。


 とりあえず俺が学校に行くことに反対なようだな。仕方ない。を使うか。


「でも俺、学校にどうしても行きたいんだ。ダメ……?」


 俺は三人に向かって哀しそうな表情をし、首を傾げてみる。

 秘技、目ウルウル作戦だ。これを意図的にやる自分がキモい。


「「「はうぅぅぅぅぅ!!」」」


 お決まりの驚き方で顔を赤らめる3人。

 よしっ! 効果は抜群! さて、どうだ?


「お母さんは、はぁ君が安全に学校に通うことができるなら良いと思うわ」


 母さんオッケー。


「私も隼人が安全に通えるなら良いと思う」


 姉さんもオッケー。


「私もお兄ちゃんが無事なら良いと思うよ」


 加奈もオッケー。


 この数秒間であっという間に学校に行く許可を全員からもらった。目ウルウルは最強の武器だな。困ったときはこれを使おう。


「ありがとうみんな!」


「「「はう〜〜!!」」」


 あっ、やば。今のは無意識だった……。


 イケメンスマイルは時と場合を考えて使おうと俺は決心した。



「俺はどこの高校に通えば良いかな?」


 夕食を食べ終え3人が落ち着いた頃。話し続きをしていた。

 隼人は今は引きこもりだが、16歳で通っていれば高校2年生だ。しかし、以前通っていた高校は退学してしまったらしい。


「私の高校へ編入してきたら隼人」



 なるほど。姉さんがいるなら安心だ。知っている人がいると心強い。


「そうだね。姉さんと同じ学校なら安心だね」


「えぇ。私がしっかり隼人を守るわ!」


 女の子に守られるのには抵抗があるから、姉さんに迷惑がかからないよう自分のことは自分で守らないとな。


「むぅーいいなお姉ちゃん。お兄ちゃんと同じ学校なんて」


 加奈がむすっとした表情でこちらを見てくる。


「加奈も受験に合格すれば、私達の通う高校に通えるでしょ」


「そりゃそうだけど……。でもお兄ちゃんみたいなカッコいい人男の子が入ったら絶対倍率が高くなるよ」


「ん? 何で俺が入ったら倍率高くなるの?」


「あのね隼人、進路先は勉強できる内容とかの他にそのところにがいるかっていうので決める人も多いの」


「そうなの?」


「そうだよ〜。だから、お兄ちゃんみたいなカッコいいい人が入ったってなれば当然、同じ学校に通いたい女子が集まるんだよー」


 なるほど。だから倍率が高くなるのか。


「私もお兄ちゃんと同じ学校行きたいー。でも受かる自信ないー」


 母さんからの情報だと加奈は頭も良く運動も出来る優等生らしい。そんな加奈が自信がないと言うから、試験は相当大変なのだろう。


「加奈。お兄ちゃんにできることならサポートするから一緒に同じ高校行こうな!」


 ぽんぽんと軽く頭を撫でながら言う。

 少しでも励みになればいいけど。


「ひゃあ! おおおお兄ちゃん!? お兄ちゃんに撫でられてるの私!?//しあわせ〜〜」


 プシュ〜と顔を真っ赤にしながらトロンとした瞳で見つめられる。とても幸せそうな顔をしている。


「隼人! お姉ちゃんにもナデナデして!」

「はぁ君、お母さんにも!」


 凄い勢いで姉さんと母さんが俺にナデナデを要求してきた。

 その後、2人の頭も撫でて無事に事はおさまった。


 学校に行く許可ももらえたし、良かった良かった。学校に行くの楽しみだな。



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