第26話   イケメンと生徒会長

 2人の料理対決以降俺は日々上達していた。そして1週間後に行われる期末テストに向けて図書室で勉強をしていた。家だとやはり他のものに目移りしてしまうので図書室だと集中できるのだ。おかけで着実にテスト前の課題、そして自分の苦手な範囲の復習などが進んでいる。

 しばらく勉強を続け、ふと顔を上げると外はもう夕焼けが出ていて帰る時間が来た。勉強道具をしまい、図書室を出て昇降口に向かう途中生徒会室の前を通ると何か騒ぎ声が聞こえた。男と女が言い争っているようだ。


「何がダメなんだよ!」


「あなたの提案は素晴らしいと思うけれど、そこに具体性がないと言っているの。それにこの提案は実現できる可能性が極めて低いのです。そんな提案に生徒会のメンバーに負担をおわせたくはありません」


「チッ! 分かったよ!」


 ガラガラとドアを開け、怒りながら男の人が出ていった。おそらく先輩だろう。ネクタイの色が違かったからな。俺たち1年生は青、2年は黄色、3年は赤なのだ。そんなことを思っていると、もう1人の女の人が出てきた。あれは……生徒会長か?

 生徒会長がこちらに気付き近づいてきた。うちの学校の生徒会長は黒髪ロングで眼鏡をかけている。いかにも生徒会長ぽい容姿だ。ただその容姿に逆らっているのが、優芽よりもでかい胸だ。制服が壊れるんじゃないかってくらいグイグイっと押し上げている。……サイズいくつだ?


「さっきの、聞いていたの?」


「はい。途中からですが」


「そう。ならいいわ、知っていると思うけど私は生徒会長の舞希崎朱美まいきざきあけみよ、よろしく」


「はい。よろしくお願いします」


 今日の会話は終わった。しかし、生徒会長とは昔何かあった気がする。それも、嫌なことが。この心配が杞憂であることを願って俺は家に帰った。








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 次回をお楽しみに。

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