第17話 陰キャに襲来
なんでこんなところに沙耶が? 誰かが言ったのか? いやそんなことより接客しないとな……。そう思った俺は沙耶を席に案内して水を持っていった。そして、さっきと変わらない流れで接客していくと、沙耶がこっち向いて笑ってきた。
「本当にバイトしてる〜って送っとこ〜」
「お客様。店内ではもう少しお静かにお願いします」
こんな風に注意をするとまた店のドアが開いた。入ってきたのは雪宮さんと優芽だった。店に入ってくると俺を見て手を振ってきた。それは俺にとってちょっとした救いだった。そして沙耶と同じように雪宮さんと優芽を席に案内すると沙耶が声をかけてきた。
「こっち相席でもいいよ〜」
「って言ってますが。どうしますか?」
「じゃあお願いします」
なんかこの席やばいぞ……。雰囲気がピリッとしてる。優芽には言ってないと思うけど雪宮さんがヤバい……。あそこの席怖ぇ。と思いながらも水を持っていく。俺が水を持って席に着くと雪宮さんが店長を呼んだ。
「すいません。慶太くん借りてもいいですか?」
「あぁ、今はお客さんもそんなにいないし良いよ」
店長ぉぉぉぉぉぉ! 止めてよ怖い、入りたくないよこの席……。だが断れずに渋々座った。俺の隣にはじゃんけんで勝った優芽が座っている。
「お久しぶりですね、沙耶さん」
「久しぶりだね〜、葉露ちゃん!」
「2人は知り合いなのか? じゃあ私も自己紹介しようか。戸ヶ崎優芽だ、よろしく」
これから何が起きるのか、俺には全く分からないけど怖いということだけは分かる……。俺、大丈夫かな。
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