そう分からない。動機も理由も、存在もさっぱりわからない。確かに存在する。確かにあったのは確かなのに、探れば既知に至る謎が探れば探るほど未知のまま。本来、謎やホラーは解明へと進めば進むほど、近づくほど正体や正解が形となるもの。確かに謎はあった。解決もあった。形としてはあろうと、謎の本質は何一つ解明されていない。そこが恐ろしい、それがおぞましい。確かにホラーだ。ミステリーだ。一体、私は何の作品を読んでいたのだ?