ポテチ

 ミミという名の科学を志す青年が、有能なロボットと二人で暮らしている。


「今日はランダムでお願いするよ」

 ミミの声に反応して、ロボットpotatoは歌を歌い出す。

「ポテチのポテチ きょうのポテチの占いは――」

 目をくるくるまわして歌うロボットの頭のうえに、ミミの手のひらがある。ミミは陽気な彼の頭を「こいつめ、こいつめ!」と言うように、ぐらぐらと揺らす。

 ご主人様の手のひらの温度、彼の頭の揺らし方から、ロボットはミミの気持ちを読み取ろうと真剣だ。

 potatoはいつだってミミの気分に合わせたポテトチップスを紙の皿に用意してくれる。ミミは毎朝それだけをテーブルの上に乗せて食べる。スプーンとフォークを用い、紙ナプキンを襟元から下げて。自分の気分にあった味のポテトチップスを、さぞかし美味しそうに食べる。

 朝の光のなかで嬉しそうに銀色のボディをきらきら輝かせながら、potatoはそれを見守っている。potatoにとって一日のうち一番幸せなのは、この朝の時間なのだ。


お題:蓋然性のあるロボット

必須要素:ポテトチップス

制限時間:15分 

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