第11話 町へ到着

「おはよう、アカネ。身体の調子はどうだ?」


「おはようございます、ご主人様。特に問題ないようです。」


「よし、じゃあ旅の続きをしようか。朝ご飯を食べたら向こうに行くぞ。」


「了解しました。」


昨日、フォレストウルフと戦闘した場所に戻った。

自転車を取り出し、町に向けて走り出した。

後ろに乗ったアカネもご機嫌のようだ。


「今日は魔物に襲われないといいですね。」


変なフラグを立てないでくださいよ、アカネさん。

そんな心配がウソのようにお昼ごろには無事町に辿り着いた。


「身分証は持っているか?」


門番に尋ねられた。

最初の村とは違ってこの町にはしっかりした囲いがあり門もあった。


「ギルドカードで良いか? あとこの子は俺の奴隷だ。」


「よし、問題ない。入って良いぞ。」


ギルドカードを作っておいて良かった。

すんなり通してもらえた。

俺が責任を持つということで奴隷には身分証明は必要ないらしい。

ただ、手の甲にある奴隷紋は確認された。


「思っていたよりも大きな町のようですね。」


「そうだな。まずは路銀を手に入れよう。冒険者ギルドに行くぞ。」


町の中心にある大きな建物がギルドで迷うことなく辿り着けた。


「こんにちは。買取をお願いしたいのだが良いかな。」


「いらっしゃいませ。素材でしょうか?」


「オークやウルフがメインなのだが、フォレストウルフもある。量が多いのでここでは出せないのだが。」


「では、奥の解体所へどうぞ。」


解体場に案内された。


「何頭ぐらいなら買い取ってもらえるだろうか? アイテムボックスに何十頭単位で入っているんだ。」


「では、とりあえず10頭ずつお願いします。」


一角ウサギ、ウルフ、ボア、オークを10頭ずつ出した。


「一角ウサギが1銀貨×10、ウルフが2銀貨×10、ボアが2銀貨×10、オークが1金貨×10で買い取りいたします。合計、15金貨になりますね。」


「フォレストウルフも50頭以上あるのだが、どうだろうか?」


「フォレストウルフは王都で売った方が高く売れると思います。王都に向かわれるのでしたらお勧めします。こちらでは需要がないので王都に持ち込むための輸送費を引くことになってしまいますので。」


「なるほど。王都に向かっている途中なのでそうします。」


「フォレストウルフは街道に現れて旅人を襲っていたため、クエストが発行されています。そちらの報酬をお渡しいたしますので一度確認させていただいてもよろしいでしょうか?」


「わかった。では全部出すので確認お願いします。」


解体場にフォレストウルフを全て出した。

作業員が討伐証明部位の牙を抜き集めた。


「全部で56頭おりました。1頭当たり1金貨の報酬になりますので56金貨お渡しします。」


合計で71金貨(71万円)を得ることができた。

当分、日本での暮らしも楽になりそうだ。

日本で働くよりも何倍も稼げているな。

命をかけて魔物を討伐しているので当然だろう。


「アカネ、町を見物に行くぞ。ほしいものがあったら言うんだぞ。」


アカネと商店街や市場を見物した。

露店で何の肉だかわからない串焼きを買い食べた。

香草の匂いがきつかったが、まあまあうまかった。


「ご主人様、今日はこの町で宿をとりますか? 宿をとるのであれば今のうちにとらないと空きがなくなりますよ。」


「そうか。宿をとるのも良いのだが風呂に入りたいから自宅に帰ろう。」


人気の無い路地裏に向かい、ホームを唱えた。

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