第6話 地球へ帰還
真っ暗になってしまったので宿屋を探すのも大変だ。
そういえばホームで転移ゲートの小屋に飛べたな。
少女と一緒にいけるのか不安だがやってみる価値はあるな。
少女を抱え、ホームを唱えた。
目の前にいつもの小屋が現れた。
抱えていた少女もいっしょに移動出来て良かった。
抱えたままドアに触れると脳内にアナウンスが流れた。
『セキュリティ設定を起動します』
『少女(雑種と呼ばれるもの)を使用者に登録しますか? y/n?』
「YES!」
『登録が完了しました』
『地球の環境に合わせた身体になりました』
『異世界言語、鑑定、インベントリ、成長促進を獲得しました』
『異世界ゲートの使用権限を獲得しました』
登録制だったらしい。
俺が許可しない限りこの小屋や転移の扉は使えないということだな。
誰でも行き来できるわけではないことが分かって安心した。
「これから俺の家に行くけど驚かないでね。こっちと文明が全く違うんだ。危害を加えたりしないから安心してくれ。」
少女を抱えたまま自宅に帰還する。
そして少女を下ろしたときに気付いた。
少女の無くなっていた右手が再生していたのだ。
先程の地球環境に合わせた身体の改造を施された際に右手も再生してもらえたようだ。
うれしそうに握ったり開いたりしている。
「助けていただき本当にありがとうございました。あなたは神様でしょうか?」
不意に声を掛けられて焦ってしまった。
聾唖も治ったようだ。
「神ではないよ。俺は佐藤健太だ。この世界の住民なのだが、なぜが君たちのいる世界に渡ることができるようになってしまった。君の名前を聞いても良いかな?」
「私には名前はございません。周りからは雑種と呼ばれていました。良かったら名前を付けていただけませんか?」
期待を込めた目で見つめられている。
赤い目が綺麗だな。
「赤い目、赤い目、、、、アカネでどうかな?」
「ありがとうございます。それでは今後はアカネと名乗らせていただきます。それとこの紋章に一滴で構いませんので血を垂らしていただけますか?」
「構わんが、何かのおまじないか?」
指先を噛み、彼女の手の甲にある紋章に血を着けた。
すると紋章は光出し、俺の心臓辺りが熱くなった。
「これで契約が完了しました。ご主人様。誠心誠意つくしますのでよろしくお願いします。」
奴隷契約だったらしい。
不意を突かれて驚いたが、少女が望んだことなので良しとしよう。
「とりあえず、風呂に入って飯にしよう。」
風呂に入っているとアカネも入ってきた。
主人の身体を洗うことは奴隷の務めだと主張されると断り切れない。
シャワーの使い方とかわからないだろうし、今日は一緒に入って教えることにした。
彼女の身体は傷だらけだった。
右手を再生できるのなら、この細かい傷跡も治してほしかった。
ありったけの魔力を込めてヒールを唱えた。
やせ細ってガリガリだがキズはすべて消え去った。
俺の身体が洗い終わったので彼女の髪を洗ってあげることにした。
遠慮していたが命令だと言って従わせた。
風呂に浸かりながらこれからのことを話した。
「俺は向こうの世界のことを何も知らない。だから教えてほしいんだ。君たちの常識も俺にとっては無知なんだ。そして、俺は旅をしようと思っている。一緒に着いてきてくれるかな?」
「もちろんです。ご主人様。何があろうと私はご主人様に着いていきます。」
「ありがとう。そろそろ上がって飯にしよう。」
念のために言っておくが欲情することはなかった。
そして、いっぱいおいしいものを食べさせてあげようと誓った。
晩飯はインベントリ内に鍋ごと入れておいたウサギシチューを取り出した。
まだ温かいのだが、一応火にかけて温め直した。
アカネは冷蔵庫やガスコンロに興味深々だった。
電子レンジのベルの音に驚いて飛び跳ねた時には笑ってしまった。
笑顔でおいしいと言うアカネを見ていると幸せを感じる。
客間に布団を引いたが、不安なので一緒じゃダメかと言われ添い寝することになってしまった。
寝れないかと思ったが、逆に抱き枕を得た感じですぐにぐっすり寝ることができた。
こうして俺とアカネの共同生活が始まった。
*ステータス
名前: アカネ(雑種と呼ばれる者、クオーター)、奴隷
父:ヴァンパイア×サキュバス、母:ヒューマン×エルフ
所有者: 佐藤健太
性別: 女
年齢: 13歳
レベル: 1
状態: 幸福
HP: 80
MP: 30
STR: 80
DEF: 300
AGI: 60
DEX: 60
スキル
鑑定、インベントリ、吸血、魅了、弓術
ユニークスキル
異世界言語、成長促進
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます