第27話 悪役!? ☆

夜郷族

 あらゆる物事に高い適性を持つ種族、ただし自然の光に弱い。

  固有スキル 有形無形


「夜郷族?」


 聞いたことのない種族だ。


 先ほどの説明が確かなら、国を持たない種族らしいが。


「凄いですね~。夜郷族は現状、ユニーク種族ですよ!」


 高い適正は嬉しいのだが、自然の光に弱いって太陽か?


 吸血鬼か何かだろうか?


「夜郷族はですねーグリモワール・オンライン固有の種族です。ですので、ランダム出現確率の低い設定になっています」


「オリジナルだと?」


「イメージとしては『ヴァンパイア』に近いですが、太陽光で死にまで行きませんし、吸血等の行為も必要ありません。十字架なんて装飾止まりで、弱点にはなりえませんね」


 まぁ、胸に杭を打ち付けられれば、生物である以上は当然のように死ぬのだろうな。


「ただデメリットとして、陽が昇っている間はステータスが低下します」


「どれくらいだ?」


「HPの最大値が1になります」


「は?」


 日中の戦闘どころか、転んだだけで命を落とすぞ。


「ですので明るい昼間の内は、生産活動をお勧めします」


「屋内の活動なら問題ない訳だな…」


「そして固有スキルですが、ゲーム開始後に詳細が確認できるようになりますので、そちらからご確認下さい」


「わかった」


 種族選択のウインドウが閉じると、新たに別のウインドウが表示された。


「続いて職業の選択を行いましょう」


「説明を頼む」


「はい、職業も文字通りですね。ただし種族同様レベルが存在し、一定レベルでクラスチェンジします。また、職業限定スキルも存在します」


「固有スキルか?」


「種族が前提となる場合は、固有スキルに含まれます」


 つまり、種族と相性の良い職業がスキル派生に繋がる訳か。


「夜郷との相性が良い物は?」


「そうですね~。夜郷族は比較的に全ての適正が高いので、どの職業とも相性が良いと言えるのですが…」


 そう、言いながらウインドウをスライドさせる。


「この辺りですかね~」


 闇騎士、黒魔法士、如何にも悪役っぽい職業が並んでいる。そんな中で気になる職業を見つけた。


「これは?」


「えーっと、死霊使いですね…武器適正は大鎌、杖と丁度いいですかね」


 種族と武器から考えて他に選択肢はないだろう死霊使いに決定する。


「はい。では、次は…ステータスにポイントを振りましょう!」


 その言葉と共にステータスが表示される。


名前  ジン

性別  男

種族  夜郷族Lv1

職業  死霊使いLv1


HP  39

MP  32

筋力  13

体力  12

器用  13

精神  12

知力  12

俊敏  7

運   8

種族ポイント  35

スキルポイント 20


グリモワール  収録の魔道書 (グロノス)


武器1

武器2

アクセサリー

アクセサリー

アクセサリー


所持金      0コル


スキル

武器スキル

魔法スキル   【風魔法Lv1】

生産スキル   【鍛冶Lv1】【木工Lv1】【調薬Lv1】【皮革Lv1】

        【調理Lv1】【道具Lv1】

補助スキル   【魔書術Lv1】【採取Lv1】【採掘Lv1】【伐採Lv1】

        【鑑定Lv1】【識別Lv1】【召喚Lv1】【幸運Lv1】

        【剛力Lv1】【巧みLv1】

固有スキル   【有形無形Lv1】


「何だか最初から強くないか?」


 βのキャラクタークリエイトと比べると余りにも強い。


「既に称号とスキルの効果が反映されていますので問題はありません。種族で違うのは、固有スキルと外見、職業の向き不向きですので」


「それはそれで、問題な様な気がするが…」


「種族にもクラスチェンジに当たる進化があります」


「つまり職業に合った種族を選ぶのが肝要なのか…」


「進化先が多数存在する種族も存在しますが、多くはお答え出来ませんので」


 まぁ、そうだよな。


「ステータス考えてみるか…」


名前  ジン

性別  男

種族  夜郷族Lv1

職業  死霊使いLv1


HP  78

MP  56

筋力  20

体力  15

器用  20

精神  16

知力  16

俊敏  15

運   10

種族ポイント  0

スキルポイント 20


「こんな所か」


 種族ポイントの振り分けが終わると、案内人から声がかかった。


「ステータスはよろしいですね?」


「ああ」


「それではスキル取得へ移ります」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る