第16話 召喚の可能性
早速スキルを確認する。
召喚 アクティブ
配下または所有するモンスターを召喚する。召喚数はレベル依存。
目指せモンスターマスター!
このスキル【召喚】の説明を見るにモンスターのカードも対象な気がする。
そう仮定するなら、スキルレベル1でランク3のモンスターを召喚は出来ないだろう。
レベルが上がれば可能だろうが、恐らく召喚のスキルレベルは召喚ランク制限も兼ねているのではないだろうか。そうであれば、スキルレベル1の今はランク1を一体が限度だろう。
試してみない事には分からないが、レベル2ならランク1を二体、またはランク2を一体召喚可能となるのではないだろうか。
「恐ろしく相性のいいスキルだな…」
問題になって来るのは収録の魔道書の能力、カード化だ。
とんでもなく相性が良い。他にカードの用途が無ければ、召喚の為のスキルだ。
こうなると試してみたくなる。
「あ…大鎌のスキル売ってないかな?」
試しに来たのは、ラビット平原。チラホラ他のプレイヤーの姿を見ることが出来る。
「よーし、起動…魔装化」
進化してもグリモワールの外見はあまり変わらない。少しメタルぽっくなっただけだ。
忘れないように【識別】を掛けてみる。
プチラビット 獣 ランク1 レベル1
「おお、ちゃんと見えるな」
大きさは手のひらに乗る程度の小さな兎だ。カード化を試してみよう。
「ふん!」
兎を倒しバックを確認する。
「あれ…無い?」
何匹か倒してみて、ようやく原因が判明した。要は、収録の能力によるものだった。
先ずカード化だが、自分が倒したモンスターしか対象にならない。つまりこの自分とは、収録の魔道書になる訳だ。その為、ナイフで倒した場合は対象外になる。
二つ目は魔物図鑑の効果だ。カード化のスキルで、入手先が魔道書優先になっているみたいだ。これは初めて入手するカードは、自動登録と言って差し支えない状況になっている。恐らくカード化のスキルのみが対象であろう。
どこかのカードショップで購入した時は、大丈夫だと信じたい。
「さて、召喚!」
バックからカードを取り出し召喚する。
「うわ…もふもふだ」
召喚したプチラビットは、鼻を小刻みに動かし周囲を警戒しているように見える。
「召喚できたのは良いとして、指示とかどうすれば…うん?」
指示の言葉に反応したのか、此方に振り向き走り寄ってくる。結構かわいい。
「んー、じゃああそこのラビットに攻撃だ」
プチラビットは「きゅ」と声を漏らすとラビットに体当たりを仕掛けた。
「おー」
しかし、最弱のプチラビットでは歯が立たないようで、少しずつ追いつめられている。
「おっと、俺もやらないと」
大鎌を振り下しラビットをカードに変える。
「ふむ…お疲…お?」
プチラビットのHPはまだ0になっていなかったはずだか、光に溶けるように消えてしまった。
「召喚していられるのは数分だけ?」
感覚なのだが、違和感がある。
恐らく時間ではない。
「戦闘可能回数が一回なのか?」
勘だが恐らくそれが正解だろう。ランクが回数だというのもあり得る話だが、カード召喚にメリットがありすぎるのだ。カード召喚は使い捨て、恐らくこれが正解だと思う。
「となると益々相性が良い」
カード化はお世話になるな。カード召喚は文字通り、切り札になる。
「よし、あるカード集めたら今度は、別のフィールドだ」
カードは集めないとね。コレクターの血が騒ぐ、俺はそこまで集めないけど。
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