第7話 幸運の白兎
俺たちは掲示板を頼りに最初の狩場ラビット平原に来ている。
「なるほど、確かにラビットだ」
ゲーム開始直後に降り立った石畳の広場から、十字路を真っ直ぐ西に向かいNPCの警備員の横を通り抜けた先が、ここラビット平原である。
「ほんと…ウサギだらけ」
このマップ全域に存在するモンスターが、みな一様にウサギ型なのである。
「でも掲示板を見る限り、ここが適正っぽいんだよな」
初めての狩りということで、掲示板にて情報収集して見たら、ここが一番良さそうだったのだ。現実での戦闘経験など殆どない俺には、どこで戦おうが難易度は高い。
「ん…適正地」
姉さんにも特に異議はなかったようだ。
「そういえば、姉さんのステータスってどうなってるの?」
「ん」
名前ナナ
性別 女
Lv 1
HP 28
MP 54
筋力 11
体力 11
器用 11
精神 18
知力 18
俊敏 6
運 7
ボーナスポイント 0
グリモワール 氷のグリモワール (フリード)
装備なし
所持金1000コル
スキル【氷魔術Lv1】【魔書術Lv1】【魔力強化Lv1】
称号『第100階位の魔道書』
氷のグリモワール
名称 フリード
階級 第100階位
タイプ 魔法
能力 【魔力吸収Lv1】
氷魔術Lv1 アクティブ
Lv1アイスバレット(最大氷魔術のレベル数、氷の弾丸を前方に射出する。※サイズはMP依存) 水魔術の上位魔術
魔力強化Lv1 パッシブ
精神・知力を常時強化する。(※スキルレベルごとに精神・知力に+1)
偉大なる魔道の一歩。
魔力吸収Lv1 パッシブ
MP自然回復速度上昇
空気中の魔力を体内に取り込む。
「それじゃあ、姉さんは後衛をした方が良さそうだ」
「ん…そう」
遠距離戦を演じそうな魔術との連携は、戦闘初心者には難しいかもしれない。かと言って一人での戦闘にも不安が残るが。
「戦闘のついでに【採取】も試すよ」
「うん」
姉さんと共に戦闘と採取を30分ほど繰り返した。
薬草 素材 レア度1
どこにでも自生している草、薬の材料になる。
毒草 素材 レア度1
どこにでも生えている草、よく薬草と間違えられる。薬の材料。
この周辺では、余り多くの種類を集める事は出来ないかもしれない。採取と言ってもナイフを使っているので、殆ど刈り取る行動だが。
「何かウサギを見かけなくなった様な…」
「…そう。ウサギのドロップも悪くなかったけど、この辺りは人もいないわね」
初めの内こそウサギたちの様子を観察していたのだが、戦闘やら採取に熱中するあまり、いつの間にやらモンスターの姿が見えないポイントにたどり着いたのかもしれない。まぁそのおかげか、薬草は集まった訳だが。
「ジン…見て」
姉さんの指が指し示す方角で、草がカサカサと揺れる。
「…うん?」
今まで倒してきたウサギ型モンスターとは、別のウサギではあるが、その姿は間違いなくウサギである。
「さてっと…相手は一体。やってみますか!」
姉さんにアイコンタクトを送ると、足を大きく踏み出して駆け出す。ナイフの間合いは短く、懐に引き寄せる程に近づかねば当てられない。姉さんは一人で魔術を使って倒してしまえるけど、まだ此方に気が付いていないウサギは俺の攻撃を当てる数少ないチャンスを提供してくれる。
「…せい!」
手にしたナイフを無警戒のウサギに突き刺すと、その姿はホロホロと崩れさる。
≪幸運の白兎を倒しました≫
≪レアドロップ『幸運の指輪』を入手しました≫
「え、レアドロップ?」
アイテムボックスから指輪を取り出し【鑑定】をかける。
≪【鑑定】がレベルアップしました≫
幸運の指輪
鑑定のレベルが足りません。
どうも、それなりにレアリティが高いアイテムみたいだ。こんな序盤から呪いの装備もないだろうと、試しに付けてみた。
「は?」
嵌めた途端に指輪は、パラパラと光の粒子になった消えてしまった。
≪スキル【幸運】を会得しました≫
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