時代は読んでタメになる物語へ。空前必須な衝撃の異世界ファンタジー。

主人公がヘタレでクズの転移者だということで、とある既刊小説のようなダメダメな性分の人かなと読んでいたら、実はこの主人公は凄く博識な大人の考えを持っていて、読んでタメになるような発言や行動力に驚かせられました。
料理の作り方に栄養学についてや、そこいらで生えている薬草の種類、さらに寝泊まりをすることになる孤児院の経済情勢に第一線で挑む姿など、目からウロコばかり出てくる百科辞典のような英雄のような活躍ぶり。
これには唖然となり、感服いたしました。
もう、これはただのヘタレのお兄さんの物語では済まないですね。
一体、彼は何者なんでしょう……。
また、物語もよくありそうな異世界の設定と見がちですが、この異世界による政治、経済、職業システムなどの説明が十分に満ち足りていて、一風変わった少し大人向けな、リアルにほど近い日本舞台の現代ファンタジーのような感覚がします。
でも、会話主体で進む内容からに実際の展開は若者向けのライトノベルなのです。
この絶妙なさじ加減が何とも言えません。あと、少しばかりキャラの1回あたりの会話内容が長めだったり、多少はファンタジーの知識がないとついていけない難しい箇所もありますが、これもこの作品を楽しむ1つの策略なのでしょう。
読んでいて概ね、納得です。
今まさに衝撃の小説に出会えて、これからの展開が楽しみな作品ですね。

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