第4話

 その日の夕方、夫と口論になった。


 きっかけは不機嫌そうな私の態度に腹を立てた夫からの一言だった。


 「ろくに子供も産めないような奴が我儘言うな!!」

 

 私はその言葉で、一瞬にして自分の存在を否定され、見下されたと思った。


 「そんなこと言われても・・・し、仕方ないじゃない・・・」


 ショックと怒りで思考が停止しそうな頭を何とか回転させながら言葉にならない言葉で夫に反論するも、夫は逆上するばかりで私の言葉を受け入れてくれようとはしなかった。


 しかしここで黙り込んでしまってはこれから先もずっと恐ろしい暴言を吐かれそうな気がしたから、声を震わせながらも私は訴えかけた。 

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