第2話
「ねぇ、お義母さんから急に明日料理持って来いって言われたんだけど」
嫌な電話を切った後、ソファーで寝っ転がっている夫に声をかけた。話したところで期待に応えるような反応などしない夫ではあるが愚痴のような怒りのような言葉をぶつけてみたくなったのだ。
「はぁ?ああ、なんか適当に作れよ。持って行きゃあいいんだよ、何だってさぁ」
『あの親にしてこの子在り』という言葉がすっと頭に浮かんで妙に納得してしまった。義母と同じように、この男も言えば私が何でもやると思っているのだ。
「私、行きたくないんだけど・・・言っても嫌味言われて孤立するだけなんだし」
夫側の親戚の集まりでいつも私は孤立していた。子供がいないせいなのか、私自身のことが気に入らないだけなのかはわからないが、義母は会う度に私に辛く当たる。そんな義母に合わせて義父や小姑たちも拳を使わないで叩くサンドバックがそこにあるかのように嫌味を言って私を苦しめた。
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