第五章〜金色アクアマリンの瞳〜
「ん〜美味しい!」
何これ!今まで食べたこと無い美味しさ!
フルーツが溢れんばかりに盛られており、その上にはアイスクリーム‼この甘酸っぱいクリーミーな感じがベストマッチ!
こんなに美味しい物を奢って貰えるだなんて
私付いてるわ!さっき会ったばかりなのにこの気前の良さ!
ただ…コレいくらしたのかしら…多くの貴族が並ぶ(従者含む)くらいだから相当人気店なんだろうな…まぁ…私と年はそこまで変わらないと思うし…そんなに…そんなには高くない…はず。0がいっぱい付かない事を祈ろう…そして考える事を捨てよう。
「気に入って貰えて良かったよさっきは顔色が良く無かったから」
「あっ…(気づいていたのか…)」
います‼目の前にイケメンがいます‼
流石ゲームの世界‼優しさが心に染みます…
絶対に前世の日本ではあり得なかった事を軽々とやってくれます‼
この優しさをあの上司に見せてやりたい…!爪の垢を煎じて飲ませてやりたい!
「うん…大丈夫だよ…あとコレありがとう!」
手に持った豪華なフルーツデザート見せながら御礼を言う。
「…っ…うん……やっぱり君は笑っている時の方が可愛いね」
「へっ‥ふわぁい⁉」
急に何を言い出すのだ!この違和感満載のイケメンは⁉変な声でたではないか!そんな事初めて言われたよ⁉
父は…別として…父は娘大好き人間だから…
まぁいわゆる、あれよ他人に言われる免疫が無いに乏しいのよ…。
「ふふっ…」
「……ねぇ…からかってるの?」
「いや…ふふっ…違うよさっきから表情が変わるから面白くてね」
やっぱり、からかってんじゃん⁉フードで顔隠れてるからバレないと思ってそうだけど…
よく見たら肩動いてるし‼てか声出てるし!
あーもう!前言撤回‼私のトキメキ返せ‼
子供が大人をからかうものでは無いのよ‼
今は7歳だけど⁉中身は成人してるんだからね!後でリクに言いつけてやる‼…リク…?あっ!
「あぁっ⁉私…リクと逸れていたのに絶賛迷子なのに何で凄く美味しいデザート食べながら知らないイケメンと楽しんでるの⁉」
「……えっと…今更だね…それよりイケメン?ってどう言う意味なの?」
しまった…声に出してしまった…。この世界ではイケメンなんて言葉は無いのだ…。
やらかしたわ…
そして忘れてはいけないここはアルシスの王族、貴族が通う場所だと言う事を‼…つまり大きな声で私は迷子宣言してしまったと…周りにいた貴族達には筒抜け状態…くすくすと笑い声が聴こえてくる…恥ずかしすぎる‼
はっ…それよりリクを探さないと!もし父や母の耳に入ったりしたら…そっちの方が大惨事よ!特に父は…父だけはヤバイ‼
早く探さないと!そう思い足を進めようと方向転換した時、運悪く自らの足でバランスを崩す。
あっ…これ倒れる…目をグッっと閉じ衝撃に耐える備えをする。
ドシンッっと大きな音はしたものの一項に痛みが来ない…そっと目を開けると紺色の何とも触り心地が良いマントが……ん?
「大丈夫‼怪我は‼」
急に肩をガッっと掴まれ必然的に上を向かされ見上げる形になる。
すると今までフードに隠れていた瞳が表情が目に映る。宝石で言うアクアマリンに金色を混ぜた神秘的な瞳がこちらを心配そうに見つめる。
助けてくれたんだ…それにしても…
「綺麗…」
「え?」
「貴方の瞳…すっごく綺麗なのね!」
「…あっ!」
瞳を褒めただけなのにバッっとフードで隠されてしまった…えー。綺麗なのに…何で隠すんだろう?
もしかして見られるの嫌だったのかな…?
さっきと違って様子も可笑しいし…
「…く……の?…君は怖くないの?この瞳が怖くないの?」
「え?何で?…怖くないよ…だってこんなに綺麗で神秘的な瞳なんだよ!怖い訳無いじゃない!私、貴方の瞳に凄く感動してるんだよ‼」
「怖く…無い?…綺麗?……」
「そうだよ!……へっ⁉ちょ…大丈夫⁉」
アクアマリンの瞳から大きな雫が流れ落ちた
ぽろぽろと止まる事を知らず
わ…私、やらかしてしまった!
慰めるつもりが…まさか泣かせてしまうとは⁉ヤバイこういう時ってどうしたらいいの?へっ…変顔でもする?
…いやいや何か気の利く言葉一つでも……何も出てこない…
ど…どうしよう…神様にポンコツ、ポンコツって言っているけどこういう時に頭の回らない私の方がよっぽどポンコツじゃない⁉
迷った私は右手を雫の流れる頬へ
「い…痛いの痛いの飛んでいけ〜…」
恥ずっ‼…物凄く恥ずかしい!何が痛いの痛いの飛んでいけ〜だ!それしか頭に浮かんで来なかった…あー‼穴があったらすぐさま飛び込みたい‼
するとアクアマリンの瞳から雫は無くなり今度は驚いた様にぱちくりと瞬きをさせる。
「ぷっ…あははは…」
そして大笑い。
「なっ…何で笑うの⁉…せっかく…っあはは」
『あははははっ』
不思議な事に私達は、いつの間にかお互いの顔を見合わせ大笑いしていた。
「はぁ…こんなに笑ったのは何時ぶりだろう…。でも…よくわからないけど…うん嬉しかった…」
「…?えっ…」
「ずっと…この瞳がコンプレックスでね…嫌いだったんだ…周りの同い年位の子に…気持ち悪い!…呪われてる!…怖いから近寄るな…って…。大人達にも…まるで品物を見るような視線。ずっと…ずっと嫌いだった…この瞳が…自分自身が…嫌い…」
パチンッ!
「どうして?…どうして…そんなふうに嫌いって言うの?…貴方は貴方でしょ…別に他の人がどう言おうと…どう思われようとも関係無いじゃない!……一緒だよ……同じ人間だもん!…泣いたり…笑ったりできる!…気持ち悪くない!呪われてもいない!物何かじゃない!…もっと…もっと自身持って…私は…貴方の瞳…とても綺麗で…神秘的で…大好きよ…」
「…っ…そんなふうに言われたの…初めてだよ…ありがとう…本当に…ありが…とう…」
「行こう…一緒に探してくれるんでしょ?…約束したじゃない…」
私は覆い被さっていた体をお越し手を差し伸べる。
「…これじゃ逆だな…」
再び手を繋いで歩き出すとくるりっとこちらを振り向きフードの下から瞳を覗かせた。
「さっきは……ありがとう……も君の優雅に煌めく黒髪も優しさを持ったアメジストの瞳もとても綺麗で……大好き…いや…愛おしく感じるよ…」
心がドクンッっと鳴った。
今まで無かった…初めて心が…気持が…大きく揺らいだ。
ただ真っ直ぐ見つめるアクアマリンの瞳がとても…心地良く感じたのだ。
「…ありがとう…」
「うん…こちらこそ」
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皆さんこんにちはこんばんは!
久々の「モブねら」更新しました‼
第五章です!
これからもゆっくり更新ですがどうか気長に読んで頂けたらなと思います(*^^*)
どうか今後とも「モブねら」を宜しくお願いします(*´艸`*)
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