第ニ章〜お披露目会の招待〜

「…すまない。二人に迷惑かけたな…」


あれから色々あって無事、父は目を覚ました。

本当色々大変だった…倒れた父を母と二人で近くにあったソファーまで運び。重かった…

私が床の掃除、母が汚れてしまった父の服などを着替えさせていた。


結構悲惨だった…何がって?鼻から出てきた赤い物よ多いと不安になるよ色々。前世の事もあるからね!

その後は母が鉄分が多く採れる物を作っていたよ。父よ…愛されてるね。


「もうっ!本当にタオル取って戻って来たら床に倒れているんだもん。ビックリしちゃった」


「サラ…すまない…君にはいつも迷惑をかけてるな…」


「あら?ふふっ…今更?何時もの事でしょう?」


仲睦まじい夫婦ね。見ててほっこりするわ。

でも本当は、父が倒れた時、母も結構顔色が悪くて今にも倒れそうな感じだったんだよね。言わないけど…

…ぐぅうー……お腹がなったわ。そう言えばご飯食べてないんだった…。


「あらミーシャ…そうねご飯まだだったよね。」


「ミーシャ待たせて悪かったな」


「ううん大丈夫!…だって皆で食べる方が楽しいし美味しいもんね!」


ヤッター!ご飯もうお腹ペコペコよ!

父がまた鼻を押さえて天使がいるとか訳分からない事言っていたのは無視よ。

母の作る手料理は美味しいのよね〜。

私…前世で一人暮らししてたけど時間が無くて何時もコンビニかなんかのお弁当で済ませてたから手料理最高!って気分よ!

今日の朝食は彩り緑美味しそうなサンドウィッチをメインに副食などが並んでいる。

後フルーツサンドも!コレは私の大好物なのよね。ソレでは頂きます!


ーーーーーーーーーー☆ーーーーーーーーー


なんだかんだで要約食べ終え少し経った時、父がそうだ!と何か思い出したように話始めた。

また同仕様も無い話かな…?長いやつかしら?


「そう言えば、アルシスで第二王子のお披露目会が開催するんだよ」


「あら?ソレってお誕生日会も含めてかしら?」


「あぁ…そう言えば、第二王子は8歳の誕生日か…」


……アルシス?…アルシス…何処かで聴いたことある様な?何だっけ?


第二王子のお披露目誕生日会……


「あっ!!!!!」


お……思い出したわ確かアルシスって…


「ミ…ミーシャどうしたんだい?急に大声出して…まさか…やっぱり怖い夢の事を思い出したのか」


父よ…まだソレ引きずってたんですか…

私…スッカリ忘れていたのに…って違う違う!そこでは無くって!


「ア…アルシスって?」


「アルシスは…王族や貴族の方が多く出入りする市場みたいな所よ。そこでお披露目会があるんですって」


や…やっぱり…

アルシスそれは…「love・forever」で始めてヒロインと攻略対処の王子が出会った場所ではないか⁉

何故ゲームプレイしてないのに分かるのかって!それは前世での公式最新情報であらすじとして書かれていたからよ‼


アルシス…


ほ、本当にこの世界は「love・forever」の世界⁉


イヤ!まだよ‼まだ信じるのは早いはミーシャ‼…あのポンコツ神様の事だ名前だけしか合っていないと言う可能性も!


コレは行って確かめるべきよ!


「お…お父さん私も行って見たーい!」


娘loveな父にとっては娘の頼み事などお安い御用のはず‼…あっ…でも平民が王家主催のお披露目誕生日会には普通は出れないのか…

それじゃあ確認できなく無い?どうしたものか


「そうだな。じゃあ皆で行くか!」


「イイわね〜」


「そうだよね。無理だよね…っえ行けるの?」


「あら、アレンがさっきも話していたでしょう?昔からの貴族のお友達に誘われたって」


嘘!本当に行けるの⁉父の友達ナイス!コレで気兼ねなく確かめられる‼

「本当にやったー‼お父さん大好きよ!」


「ミーシャ‼…お父さんの事をそんなに」


カバっと大きな音をたてて飛びかかってきた。

だが何時も抱き着かれる私では無い。

ヒョイっとかわして母の元へ


「お母さん楽しみだね‼」


「そうね」


「ところで、そのお披露目会はいつなの?」


「明日よ…だから急いで準備しなくちゃね!」


なるほど明日か〜…明日⁉明日なの!確かに早く確かめたい…とは思っていたけど明日。母よ私には心の準備って物が…何でもっと早く言ってくれないの〜!そして母よ…何でそんなに落ち着いているの⁉…て事は前から知っていたのね。


「さぁ!ミーシャ早速だけどサイズ調整したいからこちらにいらっしゃい。」


サイズ調整?服のかな?いつの間に作ったの?

私の母は手先が器用なので何でも卒なくこなせてしまう特技を持つ。羨ましい…

母に促され食卓を後にする。父はと言うと先程かわされたことがショックなのか動く様子が無い。母も特に何も言わないので放置!


「ミーシャ鏡の前に立って」

鏡の前まで行くと母の手には薄紫のワンピースドレス。袖口とスカート部分には金色の刺繍が施されていた。

母よ…流石です。一般の平民が趣味で作る範囲超えています…可愛い。

そして母によるサイズ合わせが始まったが元々何着か作った事がある為、手早く終わった。


「まぁ…ミーシャ可愛い…良く似合っているわ!」


「本当?お母さんありがとう!」


私は母の前でくるりと回って見せた。

うん!動きやすさも色合いもバッチリ流石は母‼

まぁ…本当はスカートよりスボン方が好きだけどこの世界では女はスカートって決められている。

誰が決めたのよ!そんな事!色も明るいピンクとかオレンジよりも暗めの黒とかネイビーとかの方が好き何だけど以前母にそれを言ったら却下された…ので明るめと暗めの間を取って薄紫系統が多くなった。母曰く出来ればピンクを着てもらいたいが私が嫌がるので辞めたらしい。但し諦めてはいない。


「それじゃあアレンの所に行って見せてきましょうか」


はい!と返事をし父の所に向かう。

……まだ落ち込んでいたりするのかな?


「お父さん見てお母さんに作って…きゃあ⁉」


「ミーシャ‼なんて……なんて可愛いんだ!」


父よ…ドアを開けた瞬間飛びかかって来るのはどうかと…流石に避けられないよ…しかもなんてタイミング…まるで来るまで待機していたように俊敏な動き…怖いよ。


「あぁ…こんなに可愛らしいミーシャを他の輩に魅せるなんて耐えられない!やっぱり明日行くのはよそう‼」


私の気持ちとは裏腹にとんでもない事を言う。何を言っているんだ?しかも輩って…父よりも上の王族、貴族がそこに集まるんだよ


「アレン…そんな事言ってももう受けてしまったのだから急に行かないのは無理よ?」


母に説得されている父…。

本当に母は父のストッパー適任だな


「ミーシャ…アルシスに行ってもお父さんから絶対に…絶対に離れ無い様に…」


父よ…心配症だな…但し私はこの世界のモブ…

麗しきヒロインみたいに特別な力があるとか顔が物凄く美人、可愛い訳でも無いので狙われるなんて事はほとんど無いに等しいよ?

しかも7歳の子供にどうこうしようなんてこと無いでしょ!前世でも無かったし!


「わかったわ!大丈夫よ離れない様にするわ!」


私はただこの世界が本当に「love・forever」なのか確かめたいだけだから…

確かヒロインは攻略対処の王子と出逢うのはアルシスにある庭園よ!上手く父達を誘導し庭園に行く‼コレが私が私にするミッションよ!


とにかく明日気合いを入れなくては!

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