第一章〜転生・始めまして〜
どれくらいの時が流れただろう…
記憶では好きな乙女ゲーム「love・forever」の世界に転生する為、光に包まれた所まで覚えているのだけど…なんて言っても時間の感覚も無いし…見渡す限り真っ暗な空間に一人。神様のいる気配は無い。
「……今度は真っ暗なところね…あの神様はいったい何を考えてるの?「love・forever」の世界は何処に行ったのよ?もしかして嘘ついたとか‥あの神様め…」
神様にぶつぶつと小言を言っていると…微かに人の声が聴こえた。
「もうすぐよ……後少し頑張って!」
女の人の声だ!でも何処から聴こえるのか分からず辺りを確認していると
「頑張れ…サラ…もう少しだ!産まれるぞ!」
今度は男の人の声…サラ?もう少し?
産まれる?どう言う事?
その言葉を最後に真っ暗だった空間に光が包み込む。眩しい…
「ゔえぇえぇぇん⁉」
えっ?アレ?何で私泣いてるの?今は別に泣きたくないのに…
しかも身体が全然動かないんだけど⁉
視界もボヤケて良く見えないし。
私は頭の中で処理しきれず混乱していた。
そんな私に構うことなく話し声が聴こえる。
「産まれましたよ!…可愛い女の子です!本当におめでとう!」
「あぁ…良かった私達の可愛い子…」
「本当に…良く頑張ったなサラ…」
「あぅ…??(どういう状況なの?コレ?)」
そして良くも分からない状況の中私は呆然となる事しか出来なかった…。
あれこれ悩み続けて数日経ったある日私は要約自分の置かれている状況に気が付くことになった。
もしかして、イヤ…もしかしなくとも…
私、生まれたて数日の赤ん坊⁉
最初はまだ夢の中?あの空間の中なのかなと思っていたけど違う!私……赤ん坊として産まれてきたのだ!
何で?!だって!普通さ転生って言ったらさ‼ある日急に前世の記憶を思い出してストーリーを楽しむって感じじゃないの?
何で産まれたてほやほやの赤ん坊なのよ‼
先が長すぎる…‼しかも中身は列記とした20代よ!大人よ!
あのポンコツ神様め!本当に何なの⁉
「うえーーーーん‼」
「あら?どうしたの?お腹すいたの?」
泣き声に気が付き母と思われる人が近付いてきた。
まだ、顔は良く見えないんだよね…でも優しい人だって言うのは分かる。
ごめんね。別に泣きたかった訳ではなく感情と涙のコントロールが上手く行かないのよ赤ん坊だから…
でも確かにお腹は空いてる…。
ーーーーーーーーーー☆ーーーーーーーーー
転生して今の家族を覚えたので紹介するわ。
父 アレン・スノーシス
母 サラ・スノーシス
どちらも平民出身。住んでいた所は違う町何だけど、父がある貴族のパーティーにお呼ばれしてその時にメイドとしてお手伝いをしていた母と出会ったらしい。まぁそこから父アレンが母サラに一目惚れして猛アタックしたところ見事成功し夫婦になった。
そして私が転生…では無く産まれたと…
「おっとイケない自分の紹介がまだだったわ。始めまして私は前世で神様(ポンコツ)の手違いで日本を去ることになり哀しみに溢れていた私に神様がある提案をそれは…乙女ゲーム「love・forever」への転生。まぁハッキリ言って疑いの方が今でも強いのだけれど。確認すら出来てないし。だってやっとの思いでよちよち歩きから普通に歩く事ができ。言葉を発せれる様になったんだから‼前世の記憶がある中で恥ずかしい思いをどれだけした事か……あぁ話が逸れてしまったわ…名前まだ教えていなかったわね。私の名前は…
ミーシャ・スノーシス7歳よ‼セミロングの黒髪。前世では癖っ毛の茶髪だったんだけど神様にどうしても黒髪のストレートの髪になりたいと。続けてお願いしといたの!憧れてたのよね…。瞳はお母さんよりもやや濃い目の藤色よ。転生…じゃなくモブとして「love・forever」産まれてきたんだから今度こそニートライフ全うしてやるわ‼以上‼」
「あっ!後もう1つ重要な事忘れてたわ…神様…私…転生が赤ん坊からだなんて聴いてない⁉」
「ミーシャ朝から騒いでどうしたの?」
振り向くとミディアムパーマの茶髪、瞳は薄い藤色のいかにも優しげな母がこちらを見ていた。
お母さんいつの間にそこにいたの⁉
もしかして今の聴かれてた…恥ずかしい。
「おっ…お母さん⁉ううん…ただ少し変な夢見たからビックリして…」
うん自分でも分かる…嘘を付くならもっとまともな嘘をつけ。
ベッドにも入ってない尚かつ部屋の中心で右手を真上に突き上げたこの状況で誰が信じるのよ…
「そうだったのね…大丈夫?何かあったら必ず私かアレンに言うのよ?」
お母さん……すっごく純粋な人だね。
今変に罪悪感が凄いよ私…。こんなに優しい人が母親だなんて幸せです。しかも美人
お父さんが一目惚れするのも分かるわ。
「ご飯になるから早くいらっしゃい」
ふわっとした笑顔で言われ私はすぐさま返事を返す。
神様に良い両親の所に転生…産まれさせてくれた事には感謝しよう。
いつもの動きやすい服に着替え身支度して1階へ
今日のご飯は何かな?ワクワクと朝食のある所まで向うと良い匂いが漂ってきた。
ドアを開け顔を出すといつもの様にお父さんが
「ミーシャおはよう。今日は怖い夢を見たんだって大丈夫かい」
私が挨拶をする前に真正面から来た父に抱きしめられる。
……父よ落ち着きなさい。そして何故涙を溜めながら抱きついてくるの?苦しいし。
見た目は7歳の子供だけど中身は成人した大人よ。
「アレンそれではミーシャが喋れませんよ」
「…そうだね」
お母さんナイスお父さんは残念そうだけど。
父であるアレンは短髪の黒髪に瞳は濃いめの緑。顔は美形でかっこいいのだが…娘の事が好き過ぎるのが玉に瑕だな。
「それでどんな夢を見たんだい?」
呼吸を整えてから私に問いかける。
どんな夢も何も見てないから何とも言えない。しかも変な夢を見たとは言ったよ咄嗟に出たのがそれなので…怖い夢だなんて一言も言ってない…
段々と呆れてくる顔を父は怯えている表情と勘違いしたのか
「ミーシャ…そんなに恐ろしい夢だったのかい?怖がる必要はないお父さんに言ってご覧。大丈夫!お父さんが守ってあげるから!」
呼吸をする間もなく勢いよく喋り切る。
…父よ…落ち着きなさい(2回目)
私…今目の前で起こっている事の方が恐ろしいよ。
同仕様もできず母に視線を向ける。
やれやれと言わんばかりの表情をしてる
「アレン少しは落ち着いて…ミーシャは逆に勢いよく来る貴方に怯えてる様に見えるわよ。」
優しい顔だが言う時は言う私の母…
ある意味父のストッパーの役目を果たしている。
「そうだね…すまないミーシャ…お父さんミーシャの事になると、どうも抑えが聞かないんだ。」
知ってます…。
「あのね…怖い夢じゃなくって変な夢だよ?それとあまり良く覚えてないの…だから、心配掛けてごめんね…」
喰らえ上目遣いキラキラコーセン。
ネーミングセンスが無いのは気にしない!
しかし父にはこれが効果抜群なのだ。
「…っそうだったのか…ミーシャ良かった」
「うん!」
からの満面の笑み攻撃!ネーミングは気にしない!
「ゔっ…」
効果抜群だ…。そして父よ鼻から赤い物が出てますよ…それに気付いたら母は…
「アレン鼻から血が!…待ってて今タオル持ってくるから!」
急いでタオルを取りに行く母。
母から言われ気付いた父。
「わっ⁉本当だ!!」
仕方ない父だ…。
「お父さん…らい丈夫?」
あっ…噛んだ…
近くにあったテッシュを渡そうと声をかけたが噛んだ。
バッターン…
その瞬間父は床に眠るよう倒れた。
「お父さん⁉」
「アレン⁉」
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