第5話〜いつか必ず〜後編

今日の授業は全く頭に入ってこなかった。なぜなら朝の美女が言っていた『ひおり』って言う人のことをずっと考えていたからだ。しかも彼女は確かに『ひおりが助けたからどんな人が見に来た』と言ったつまりあの美女は僕の”英雄”の知り合いにあたる方だと推測した。そんなこんなで授業終わりの掃除の時間にもう1回聞きに行くことにした。

美麗さんにあの美女が誰なのかしっかり聞いて、美女がいると思われる教室まで来た。


「あの〜?平優花里さんいますか〜?」


とそこで優花里さんの教室が急に静かになった

ん?どうしてだ?と思いながら周りを見渡していると朝の美女と目が合いこっちにやってきた


「あーはいはい、あたしねいるよ」

「少し聞きたい事があるんですけどいいですか?」

「今掃除してるから手短にね」

「ありがとうございます」


そして朝僕の方からは何も言えなかったので僕の両親に言ったことを簡単に説明した。すると彼女は軽くため息を吐いて、こう告げる


「あの子は昔から何も変わってない。実際私も小学校の時いじめられてて、あの子……『日桜里』が助けてくれたんだ」


とそこまで聞き僕は咄嗟に彼女の方を掴む!


「その日桜里さんってどこに居ますか?僕の英雄なんです!その…名前がわからなくて、次にあった時に絶対に全力で感謝の気持ちを伝えようと思っていたんですけ……」


と僕が喋っている時に彼女が喋る。


「あー、えっとー、な、なんて言うかね?ひ、ひおりは〜もぉーこの学校にはいないんだ……」

「………………えっ?なっ、なんでですか!?」

「あー、あ、あの子隣町に引っ越したみたいでさ、校区が違うから転校したって訳。その引っ越す事を友達に伝えていたところで、君を助けたみたい……」

「そ、そんな……」


僕は人生で1番って言っていいほどガックリ項垂れた、いじめられていた時以上に……


___________☆___________


どうしてもお礼を言いたかった。もう、その機会はほとんどの確率出ない。


隣町と言っても結構遠いうちの最寄り駅からでも電車で1時間は掛かる。半ば絶望した気分になりながら職員室に向かった。


「あー、えっと柊?どうかしたか?」

「………………」

「柊!」

「っ!はい」

「大丈夫か?まぁいい、心して聞いてくれ、お前へのいじめの件なんだが…………」


そこからの話は適当に聞きながなした。

僕の中ではそんなことよりお礼出来なかったことの方がよっぽど辛かったのだから。


___________☆___________


そこからは親が来てくれて親が淡々と話を進めて言った。親は裁判を起こすと言っていたが、相手側がどうしても嫌ということで、示談という結果になった。今思えばもっと痛めつけてやったら良かったと思う。そしてその帰り道にお母さんが話しかけてきた--


「どうだった?お礼はしっかり言えた?」

「…………」

「ハァー、その調子じゃ言えなかったのね。」

「…………コク」


お母さんの言葉に小さく頷くとこしか出来なかった。するとお母さんが


「その人に振り向いて貰えるようにこれから”精一杯頑張る”んじゃなかったの?」

「!」


と僕は思い出したかのように顔をあげた


「男に二言はないのよね?だったらまずはあなたが死に物狂いで努力しなさいよ、そんなんじゃ次にあった時幻滅されるわよ?」


と優しく包み込むような声で微笑みながら言ってくれた。それは僕にとって最大のエールだと思った。やっぱり親は偉大だな、お母さんは僕が言っていた事を思い出させるだけに言ったのかもしれない。

でも僕にはその言葉がすごく応援してくれてると思えた。そしてそれと同時に諦めきれない気持ちも出てきた!今ならどんな事でも頑張れそうな気がする。そうだ僕は、僕の英雄つまり『日桜里』のために頑張ればいいんだと思った。



そしてそれから2年半後この期間で僕はめちゃくちゃ頑張った。身長もあれから10cm伸び180cmのモデル体型、髪の毛も意識して常に整えてある。

服も変に着崩さずピシッと着用し、玄関で「よしっ!」と気合を入れながら今日入学する高校へ向う。



そう、彼女『日桜里』さんと一緒の高校へ



__________________\

あとがき失礼します。これにてプロローグ的なものは終了です。

えー、初めて書いた作品なのでここの文が変とか誤字脱字があったら色々教えてくれたら嬉しいです。


さてここから主人公の桜雅君が憧れの日桜里さんにグイグイ行きます。

日桜里は日桜里で色々拗らせてます。笑


とにかくここからもなるべく頑張って書きますので、何卒よろしくお願いします。


※毎日投稿は出来ないかもです。すみません




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