第3話〜いつか必ず〜前編

アラームの音が鳴る。アラームを止めてパッチリと目が覚めランニングの用意をする。


一昨日は久しぶりに家族3人でいて楽しいと感じた。今までならいじめの事を必死に隠していたから身も心も疲れ果てていた。だが今日は違う(正確に言えば昨日からだが)まぁーそれはよしとしよう。


ジャージに着替え運動靴を履き軽く体操をしてジョギングに出かける。


「ハァ……ハァ」


3日目にして少し楽になってきたな!このまま頑張ればフルマラソンだって走れるようになるかもしれない…グフフ

おっとイケナイ集中しなくてわ!

そんなアホなこと考えている中ふと横からも声が聞こえる。なんだ?この声は?………っ!


「お父さん?」

「おっ!やっと気づいたか、さては惚れた女の子のことでも考えてたんだろ?」


と茶化すように言う。何を言っているんだ?と思ったのでとりあえず無視することにした。


「おい無視かよっ!ってまぁーいいや!朝お前が出ていくのを見たんでなちょっと一緒に走ろうと思ってな!」

「そうなんだ!じゃー一緒に走ろう!」

「おう!」


___________☆___________


そして走り終えて一緒に帰宅し、順番にシャワーを浴び朝食を食べた所でお父さんに呼ばれた。


「桜雅!ちょっとこっち来い!」

といたずらっ子のように笑みを浮かべ僕を手で招く。


「いい男になりたいんだったら、まずは身だしなみからだよなー!お前は俺たちの子供なんだから絶対にかっこいい!!」


と自信ありげに言うもんだからお父さんに任せてみた。そうするとすごい手際で僕の髪がかっこよくセットされていく。これは…スゴすぎるっ!!!!

まるで別人のような僕が鏡に映し出されていた。

僕がポカンと口を開けていると、横で

「えぇ!!お前誰だよ!!」とお父さんが言うもんだから心の中で「お前さんの息子だよ」と言っといた。

ちなみにお母さんは顔が少し赤くなっていた。解せぬ。


と朝から賑やかだなーと思いながら学校に向かうのでした

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