第93話 下−27 天界と内神。ミケと ダニャロイの穴


天界 内神


あー、、、今日もだりー、、、町に行って酒でもかっくらってこよーかなー、、、


そう、この天界にも町があり、ここの神々は町を作って社会生活などしておりやがります。


この天界は、もともと”ひと”や、”獣人”や、”魔人”などの「現界」で生きていた者たちがベースの神たちの天界だ。

ミケらの天界はまた別に在る。行き来は、どうなんだろう?内神はミケ・タマ・姫の3ネコ神と親しいが、内神達現界神がタマ達天界神と交流する機会はあまりない、というか普通接触機会がない。なので交流機会はほぼ無い。

だから行き来するものなどいない。


ミケに言わせると、また違う種類の神がいて、なんか形状がないとかあるとか。なのでその社会がもしあったとしても「実体なんか必要とするわけがない」とのこと。で、「もっと上もあるんじゃにゃいか?理解ができないだろうけど」と。

知りたくもないけど。

どーせその存在理解も無理だろーけど。


なので、最もおもしろいのが内神の天界なのだ。


もともと人間や獣人や魔人。で、悪意が在るとここに来れないんで、その心に悪意が在るものはいない。

だが、「面白い」が好きな、「結果的悪質」な者は、これてしまう。


ここの神々はだいたい自分の世界を持って、それを見守っている。管理というとつまらんことまでアレだめこれだめとかになりそうなんで、そーではなく「見守る」。で、好き勝手で、手を出す。

もう現界で思っている神そのものだな。



なので、喫茶店でぼーっと他の客の話を聞いていると


「まったく、うちの世界の奴らときたらどーしよーもなくってさー、卑怯なことばっかやって権力抗争や経済支配戦争やらばかり!しかも低レベル!あれが感心するほどならまだおもしろいんだけど、バカなんでつまらなくって、、、」

「でもあんたが作ったんでしょう?」


「あそこまでバカになるなんて思わなかったわよ!!」

「劣化はどんどんエスカレートするからねぇ、、3−4世代て激変なんか普通だし、、」


「なんで最初に言ってくれないのっ!!」

「あんとき、おまえが俺の話をまったく聞かないで、この程度がいいのよ!とか言ってたろ?」


「・・・・、、もう消滅させちゃおーかなー、、」

「ちゃんと滅亡させてやりなよ?」


「まぁ、それはねー、、バカすぎてコントロールの効かない細菌兵器を、自分たちでコントロールできていると思いこんでるから、、放置しておけばもうすぐ処理できちゃうみたいだし、、」

「よく見ていたほうが良いよ?たまにそういうのを阻止しちゃう白血球みたいなのがいきなり湧くことがあるから、そうゆう英雄は生まれたらすぐバカにしとかないと」

「そうね、そこだけ気をつけて放置しておくわ」


とか、


「もうオレの世界さいっっこうっつ!!!!のりのりよお!!イケイケガンガンでよ、今ちょうど科学技術進化すぎてさー、武器兵器が超進化!!人が獣人魔人やりまくり!!ま、そのうち反撃され、やった以上にやられるだろうけど、

そこらへんが、さいっこう!!

100回以上やってるけど、、何回やっても、ここが最高だよな、、、、

だがその後がめんどくせぇ、とっとと滅亡させてまた次を始めたいんだけど、だらだら長引くんだよなー」


「おまえ、よく飽きないよな?ずーーっとそのパターンだろ?」

「あー、だっいっすきなんだよ、奴らが盛大に自滅しあってくの!!」


「おまえ、現界にいたとき、戦争止めようとして殺されたんじゃなかったっけ?」

「ああ、だからかな?やりたいやつにはとことんやらせて自滅させる、ってのが、気持ちイイ!!」




そういうの聞いてて、まぁ、わからんことはないかな?

とかも思うけど、、、

やっぱバカやってるほうが楽しくっていいよなー、と思う。

ひとであった時分に、まともな家庭生活ができなかったことも大きい要因だろうけど、

やっぱ、安心できる家庭の一員って、いいよな。

はたから見ていても、そういうのはいいよな。



内神は現界神の中でも結構まともであった。

先の例のように、まともでありすぎたから現界神として天界に呼ばれたのに、現界でのトラウマに引きづられてはっちゃけてしまった者も少なくない。


で、町にでてくると、こーいう現界神達を見ることができる。

なのでそーゆーのを見ると内神は、

「ああ、私はあの私の世界を作れて幸せだ」


つまり、

下の者たちを見て、自分の今の世界の幸せを再確認できるのだ。

まぁ、みもふたもないっちゃーあるかもしれないしないかもしれない。


大体、自分の世界がとてもうまく行っている現界神達は町などに出てこなく、引きこもってずっと自分の世界をいくらでも眺め続けられるのだ、愛おしくって仕方ない、とばかりに。

ネットのSNSみたいなもんかな?幸せならSNSやろうなどと思わん。そんな無駄な時間無い。


「よし、戻る。」



     


『たっだいまーっ!!』

「「「「「おかえりー!!!!」」」」」「にゃー」


夕食後のまったりタイムで皆居間に居た。

小田、沖田、神田、周子夫妻、ミケ


皆、内神の帰宅に笑顔が戻った。



ーー


あれ?山田は?とおもうであろう。


ミケは山田を放置してきた。


この世界は東西南北の他にダとゲの方角が在る。つまり3次元の世界では無い。

ダニャロイ山脈最高峰7合目。

この世界ではほんの数人しか知らない”ダニャロイの穴”。

「余計」な者たちが、ここで徹底的に放置される。


「放置」


これは、世の刑罰の中で、もっとも重く、酷い刑罰だ。


ミケは「一週間がげんかいだろーなー」と見ていた。ちなみにミケでも3日が限界だ。ミケは山田を正確に認識できた、マヌケ時空での実験結果を見て。そして「良い悪い、正しい、邪気、とは全く別の何かなんだなぁ」とも。



無から発生するには、プラマイになるのは仕方がないという。

そーではないときもあるが、そーなときもある。今回の山田発生ということは、後者らしい。


ミケは、「こんな面白い今の世界を潰してたまるか!」と、億年に一度在るか無いかのおもろい現状を維持したいらしく、少しムキになっている。

今回の処置で、他の恒星圏が何万か何億か、無に戻るだろーが。

「”おもしろい”は、すべての存在の中で、最強にゃ♪」



ーー



日のいずる国王都 ある異酒屋


「皆の者!今月もお疲れだっちゃっちゅーー!!かんぱい!!っちゅー!!」

「かんぱーい」皆


今日は月一度のお疲れ食事会。飲み会でもあるが。

結構皆酔うのは早い。

「うち、刺し身食べたいっちゃ、、あ、、しんせんでうまそう、、」

ちゅー子をついばみ始めるアホ鳥1


「てめーの方がうまそうじゃん、、、タレがいいか、、塩がいいか、、いっそカレー?」

本場のカレーは、やぎ肉が無い場合、鳥がいちばん美味いのだ。

あとから入った従業員、狼獣人がアホ鳥1の羽をむしりはじめた


「うっぎゃー!!このバカ何するっちゃ!!」つんつんつんつん!反撃

「チキンカレー、、、ずずずっ」よだれを垂らし始める他のアホ鳥達全員


なまけもの達はすみっこですごくゆっくりつまみを食いながら、冷酒を飲んでいる。




ーー



「にゃーんにゃーんにゃごーんにゃー♪」

猫語の歌を歌いながら神山は餌を撒く。ザーッ!ザーッ!ザーッ!ザーッ!ザーッ!

猫は近くに落ちた餌を食べる。一日に一度だけ、皆水を飲んでトイレに行く。

一度ネコ床に潜り込むと、居心地良くって出るに出られないのだ。

猫さえを我慢させてしまうネコ床は最強だ。ネコ床無双とかになりそうなくらいに最強だ。

この国で、今、最も最強(なんだよそれ)なのはこの王宮のネコ床だろう。


他の貴族達も真似し始めたが、管理が難しく、みぎゃが管理するこの王宮のネコ床みたいにはいかないようだ。


王宮勤めの者達は、できるだけ仕事を休まない。休みたくない。独身者は休日でもでてきてなんかしている。

つまり、ネコ床の場所にいたい、のだ。

普通の床の自宅に帰ると、その空虚感がたまらなく。王宮に勤め半年もすると、自宅は虚無でしかないのではないか?とすら思うのだ。



食事のとき、神山はよくみぎゃと雑談する

「世界中の王宮がネコ床になったら、誰も戦争に行きたくならないだろーなー」

「それには肯定以外無い。が、猫はそれほど多くない。」


「うん、これだけいるんだからどんどん繁殖するんだろうと思ってたけど、全くだね?」

「うん、居心地良すぎるのだろう、ここのネコ達は繁殖時期でも全く見向きもしないからな」


「どーにか増やせないかなー」

「でも、この内神様の世界じゃ、戦争なんかしないだろ?」


「うーん、他の世界とかに?」

「どうやって?」

「ダゲーという魔法使いができるんだから、ミケとかが普通に行き来してるんじゃないかなー」

(それはできんな)

あ、内神様!


ボフッ!!出現!

「みぎゃ、これが内神様」

これ・・かよ?

平伏するみぎゃ。捨て子同然の山中単独暮らしだったのに、王宮でかなり仕込まれたのだろう。ここの礼儀ができている。

『よいよい、普通にせよ』

「感謝!」


『先程の話だが、他の世界はこの世界の妾のように他の神が作った世界なので、むつかしい。

人間や獣人や魔人などの居ない世界なら、捨て置かれた世界もいくつかあるが、ひと種のいる世界は、いくらミケ達でも全体的な干渉になるネコ床王宮とか、無理だろう。ミケ達ネコ神がいやがる。』

「ほー、そんなもんっすか、、」


『私がひとであった時の世界、全くミケは干渉せずだったろ?

お前らのいた世界も、あと1000年も経てば、人間達は原型ないぞ?』

・・・よかったー、こっち来といて、、、つか、飛行機墜落して、、


「・・ちなみに、、チュー子みたいに?とか?」少々興味ある神山

『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・グロ、、?』

「あ、もう結構です、、」


午後の仕事の時間が始まる

『んじゃ、、』

帰るのか、と神山達は思ったが、

内神はおもむろにネコ床に潜って行った。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


このために来やがったのか、、、




周子夫妻は千葉家に戻っていた。

第二子出産間近だから。

その直前に内神が邸に戻って来てホッとした周子夫妻だった。

心置きなく専念できる。

でも


「おらおらぁあああ!!なにぼけっとやっとるんじゃぁああああ!!」

荒くれ冒険者たちを口汚く罵ることに慣れた周子は、それに未だ気づかず、道場でも同じようになっていた。

指導が格段に厳しくなったので、弟子たちも皆一皮もふた皮も剥けはじめたのはいいが、、、


街なか

トン、、

「おい、そこの髷のあんちゃん、ひとにぶつかって挨拶ナシかい?」

ボッコーーん、、きらりん**


と、まぁ、、礼儀正しいのはそのままなのだが、問答無用になってしまっていた。

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