第91話 下−25 神山復活の影響


日のいずる国王都 王宮


「はーいにゃんこ達ー、ごはんだよー!!」

ザザーッ!!ザザーッ!!ザザーッ!!

ネコ床に餌を撒きまくる神山。笑顔は本物だった。復活していたのか?!!!


「神山、ネコ達を順番にお風呂に入れるから」ミギャ

「今日は何番から?」神山

「12900から13000号まで」

「おーけー、風呂は?」

「100匹だから中風呂で」

「はいよ、すぐ連れて行くー。12千台だと、、二階の廊下か、、」

ネコスリッパを履いている神山はネコ床の猫達の上を滑るように走り、二階に向かった。


数分後、猫用風呂の中浴場にまたたびを撒き散らし、猫達を誘導して入れる神山。

猫達がまたたびに酔ったのを確認し、シャンプーを撒き散らす。

で、手当たりしだいに洗いまくる。これが結構楽しい♪

わしゃわしゃわしゃわしゃわしゃわしゃわしゃわしゃわしゃわしゃわしゃわしゃわしゃわしゃわしゃわしゃわしゃわしゃわしゃわしゃわしゃわしゃわしゃわしゃわしゃわしゃわしゃわしゃわしゃわしゃわしゃわしゃ

シャワーを全体にざんざんかけまくり、仕上げに一匹一匹を魔法で浮かせて20ほどあるシャワーで魔法の手でよーく洗い流す。

全部終わったら、乾燥場に猫達をぶち込み、魔法で乾燥させる。

終了。


でも、ミギャは、魔法を仕込まれる以前は、これを自分で手作業でやっていたのだ。

恐るべし!!

まぁ、、力技のみで山田を星にしたミギャだからできるのだろう。



あれから、

神田がネコ床から生えてから、その後王宮職員によって風呂に入れられ、飯を食わせてもらい、数日で普通に生活できるようになった。

その後、モフ☆モフ生活の素晴らしさに気づいた神山は、ミギャの手下となるべく臨時王宮職員になった。勿論ネコ係。


周子母からその話を訊いた周子夫妻は、取るものもとりあえず王宮に跳んだ。


「えぇ〜、、まだ完全復活できていないんで、療養のために猫が必要なんですー、、だから当分ここでお世話になってますー」神山

そう言われては何も言えない周子夫妻。

一応、邸に報告していいか?と神山に了承をもらう。

「でも、まだ療養中だから帰れない、って念を押しといてくださいね」神山



「と、いうことだ。まぁ、よかったな」周子

はぁー、、、どうにか、、と胸をなでおろす小田と沖田。


神田は「結構早かったなー、猫ってそれほど効果があるんだ、、何かに使えないかな?」とか、神山が怒りそうなことを平気で考えていた。在る意味山田とそっくりである。



王宮

「ごはんだよー!」

にゃー、にゃー、にゃー、、ザザーッ!!ザザーッ!!ザザーッ!!

「にょっつ!!」ミケ

「あ、何してんの?」

足元のネコ床の中の一匹がミケだった。


「うむ、まったりしたい時にここはぴったりなのだ!」

「まぁ、そーだろーよ、、こんなんなかにはいってりゃーなー」

「で、結構頻繁に紛れ込んでるから、そこんとこヨロシクにゃwちなみに姫やタマもよく来るぞ?」

「なんだかんだで、向こう(邸)にいるのとそう変わらんなぁ、、」

「あほう、これだけの猫に囲まれての生活なんか、どんだけだ?!!」

「まぁ、、そうだなー、最高だもんなー」

「神山ー、ネコ砂洗っといてなー」ミギャ

「はーい!」


猫砂は全部で1トンある。

最近はコンの修行が楽になったらしく、手が空いているときは手伝いに来てくれている。

18本ものモフに、ミギャもぞっこんだ!

なので、仕事も結構楽ちん♪




天界内神


寝てごろごろしていた。

もうなんもやるき出ねぇ、、とかつぶやきながら。

しかし、信者はこのときもどんどん増え続けている。祠も毎日何十と増え続けている。羨ましい限りである。




そのころ山田


へらへらしていた。

常春の気候のはずのこの世界。

なんか得体のしれないジャングルになっている。

木がそこいらへんを走り回し、鶏や獣を捕らえては、そのうろのような口にぶっこんでいる。そのあと、プリッっと、木の根元の部分から、小さめの木彫りのその獣の形の像が出てくる。そこいら辺にそういう像が転がっている。

「おまえ、魚とってきてー」と山田が言うと、言われた一本の大きめな木が動く、それに小さい木が何本かしたがって走っていく。

「鳥くいたい」と山田が言うと、近くの大木が、その幹にからむ蔦を使い、空に飛ぶ鳥を捕まえる。


勿論この世界に「ひと」は現在、山田一人だけだ。



晩飯時

最近のいつもよりはちゃんとできている食事。神山が復活し始めたことが大きいだろう。

周子夫妻も幾分安心した。このままでは沖田と小田がどーなるのか心配だったのだ。特に沖田のメンタルの弱さをまざまざと見せつけられたことは、一つの恐怖でもあった。

とても強うそうに見える者でも、こんなものなのか!と。

でも、全くどうじていない神田もどーなんだろーって気もしている夫妻であった。


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