第87話 下−21 枯れ尾花な風と、箱猫は棺桶か?


かたかたかたかた・・

「ひっ!」

・・・・

かたかた・・

「ひっつ!!!」

・・・

「だから、、唯の風だってー、日本にいたときだって風吹いていたでしょう?」小田

「しかも、こっちだと神様も一緒に居るんだから何怖がるんだよ?」神田

『沖田にも弱みがあるんじゃなぁ、、』

不思議なものを見るような目で沖田を見る内神様


猫はこたつはないのでカーペットで丸くなってる。少々寒いのだろう。


この晩は、マルネラにはとても珍しく、強い風が吹いている。

日本では風はよく吹いていた、と言っても、何年も前のことだ。


また、周子夫妻のような新婚は、寒ほうが盛り上がるってもんだ。


神田が地下に降りて、木箱を持ってきた。


かたかたかたかた・・

がっしり!!

沖田は小田にがっしりとしがみつく

「呪いよ、、山田の呪い」

『あやつがいる世界は、魔法も呪いもこっちに届かんわ』

「んじゃ、神山の呪いよ、私達を呪っているのよ、、、」

『わけわからん、、神田のGのほうがよほど理屈がある』


「そー言えば、日本に居たときは冬になると、夜遅くまで電話かけてきたわよね、沖っち、、」

「一気に眠れるくらいまで誰か話し相手になっててもらって怖さを紛らわし、、か、、」読める男神田である。


ミケは中に毛布をひいた木箱の中にきっちり収まって、荷猫になっている、暖かそうである。気付ける男神田である。


それをじっと見ていた神田。

「沖田ちゃん、でかい木箱持ってきてやろうか?毛布引いてさ、」

「?どーすんの?」沖田

「中に入って蓋すりゃ、こわくないんじゃない?」

「棺桶かよ!!余計こわいわっつ!!!!」沖田 ・・・・やっぱり神田は神田である。


んじゃ、、と内神が

『ここらでいいな?』 

ぼん、と暖炉を作った。勿論煙突付き。煙突は屋根の上までちゃんと出ていて、中はちゃんと空洞になっている。

『あたりまえだわっ!!!』

念の為である。


神田が「ほい」とダゲー魔法で、森から木を切り、小さくして乾燥させてから、暖炉の横に積む。

沖田がいそいそと薪を組み上げ、火をつける。


はぁー、、

暖炉の火の目の前におちゃんこすわりをして手をかざす沖田。


ソレを見て、薄いピンクの羽衣をかけたいくらいだ、と思ったのは神田。結構アニメとか密かに好きだったのだ。


『それでは、

第一回!怖いもの話たいかーいっ!!!』

・・・・・

すげーよね?山田でもやらんよね?

『ムツ!!』


「むかしむかしあるとこ・   神田が山田役を買って出たのか!勇者である。

「いやーっつ!!!やめてーっつつ!!!」沖田

「おじいさんとおばぁさんが・・   続けてみる神田

「やめて!!って言っているでしょっつ!!!」沖田


本格的かな?

となんか戸惑う内神様。こういうアレとはいままで遭遇したことはないのだろう。大昔の者たちにはここまでなアレなのは居なかったようだ。昔の人類は結構神経太かったからな。と思い出す内神。


『今時の子は”打たれ弱い”と聞いてはいたが、、、ほぼ年齢的にはもう大人だよなぁ?』


そーゆーんでも、誰かがソコまでいかないうちにフォローしとけば問題は回避 さ れ て い た のである。今までは。

だが回避役が破壊された今ココ。回避役を破壊した一味が全員揃っているダイニングルーム。

わざとらしさと論理性にアレなちびっこおとな探偵の活躍するアレな世界設定のナニが大好きなシュチュエーションである。


そう、復讐シーン。


ま、復讐スべき被害者が破壊されたままなので、、、シュチュ放置状態になったままである。


つくづく昔の人類は神経が太かったんだなー、と懐かしむ内神。


ポン!、鈍感!と魔法を沖田にかける内神。

が、

カン!と弾き返されてしまった。

はれ?もいちど、、どんかん!

カンッ!!

????

沖田を見た。ステータスとかそういうやつ。

『あ、もう鈍感だから、効かないって?』


生まれ持ったスキルのほうが、神の威力より強いらしい、まぁ個体差ってのもあるだろうが、、、


・・・・・

『ごっつ眠気!』神がその気(力)を使う時、特に呪文は必要ない。気分で言っているだけだ。

ふっ・・・。沖田は寝入った。

『小田、悪いがたのむ』

小田が沖田を部屋に連れて行った。肩に担いて。


なんか、1−2時間後に、うぎゃーとか言い出しそうだから、ここで先にいっとけばキャンセルされるだろう。そう思った神田は内心で叫んだ。

そういうのってよくあるよね?


大体、数人でいるとき、誰かが寝だすと他の者たちも眠気を催すものである。

「「「おやふみなふぁーい、、、」」」





翌朝

ピーカンである!

夜のうちに雲がすべて流されていったような空だった。


上空はまだ風が強そうだ。が、地上はもういつものマルネラの春の終わりくらいの良い陽気である。


沖田を含め、皆朝の鍛錬を行っている。



鍛錬後、皆で朝飯を食べ、また今日一日が始まる。




「今日も暇だよねー、、何する?」沖田。

小田はやることはいっぱいあった。服を作ってもいいし、小物を作ってもいいし、お菓子を作っても良い。修行をやってもいいし。

だが、沖田とできること、となると、剣術の稽古くらいであろう。

なので

「うん、暇だねー」小田。人付き合いが良く、気の利く子である、基本は。



さて、神山が返ってくる前に、生産性のあることを一つくらいできるのであろうか?


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