第13話 ばっふんばふばふばっふん♪ばっふんばふばふばっふん♪


二ヶ月後。帰宅したら、

「招待状来ているわよ!」と沖田。今日は沖田と小田はお家の仕事だった。

「どこ?」

「山さんチーム、家買ったんだって!!」

「ほうほう!!お猫様のために!!」

「「「「だよねーー」」」」

明後日はお披露目パーティー。夕方からだから早めに仕事を切り上げることにした。


「おう!!すげーな!!」

「って言っても、うちくらい?」

「・・・言われりゃーそうだなー」

「でもうちより商業地区に近くて便利だよ?」

「羨ましい限りでございます、、」

「いや、そのうち飲みはじめるようになったらやばいのがいるから、うちの場所でいい」俺

「「「「ああー」」」」

気づかない山田


庭に、ネコが登るのにちょうどよい木が植えられ、

観賞用ではなく食用の魚が泳ぐ大きめの浅い庭池。

潜みやすそうな低い生け垣、、


玄関にはネコドア、、、


室内には、ネコが爪研いだり登ったり潜んだりする、塔みたいなアレ。


チームメンバーの各部屋のドアにもネコドア、、、


ここまで徹底する?すげーー、、、


「ネコのために生き、ネコのために稼ぐ!!」

って、毛筆で書いてガクに入れて飾ってほしい、、、


つか、山さん嫁貰えよ?谷さんもそろそろじゃね?メコンさんはまだ若いが、、、メナムさんと雰囲気いいのかな?

ネコにハマると婚期逃すぞ?


いやもう山さんチームの話はネコだけ、つーくらいネコ。他の話をしていてもいつの間にかネコになっている。化かされているかもw


ぜひとも泊まってけ、つーので一泊させてもらった。

屋敷はうちよりちょい大きい。二階の部屋数が1つづつ多かった。部屋の大きさはだいたい同じ。

で、

気になるお値段、大金貨3枚=金貨30枚。うちの3倍っ!!!

1)本来、上の方にあるうちのほうが高い

2)屋敷自体の大きさは山さんチーム邸のほうが少し大きいが、敷地はうちのほうが広い。

3)うちよりボロくなかったが、やっぱそれなりに修繕等にかかった。

を総合しても、うちは相場の半値くらいだった様子。

売り主は、安くしたんだから、と契約解除を拒否するつもりだったんだろう、とっとと確実に手放したかった、んだろうなーと山さん。


小田も、「この邸からは、ネコちゃん達以外のは何も感じない」とのこと。

「うちはラッキーだったねー、ネコちゃんのおかげで買えたし、半値になったし、ネコちゃんが家の子になったし!!」

沖田らしい合理的感想♪猫様様!!


山さん情報

「夜髏死苦も家を探しているらしい。」あれから必死こいて稼ぎまくったらしい。ネコいるから狩りもかなり数を稼げるだろうし、族っぽくいけいけゴーゴーだったようだ。

まぁ、、いんじゃないすかね?婚期を逃さなければ、でかい家ならパーティー全家族住めるだろうし、共同生活は長屋みたいで助け合いで超便利だし、一緒の生活すれば家族並みに気心知れる。喧嘩するだろうけど確実に回復できるから。

つか、広い敷地なんだから、あと2−3邸建ててもいんじゃね?子どもたちが家族持ったら、くらい。

田舎町でよかった♪


そういえば、元の世界でもムスリムって結構そういう状態なんだよなー、家族大事にするから、一族の長が、家族持った一族の者に同じ敷地内に住む家を建ててくれるとか、、


まあ、こっちは精霊いるし、魔獣いるし、魔法あるし、神も、少ないけど通話wする者たちもいるんで、特に宗教ってのを固定したり、起こしたりしても続かないらしい。神様が向こうからカルトな奴らを送り込むこともある様子。でも全く誰も振り向かないんでブチ切れすぎて狂っちゃうらしい。ソレ見て喜んでるんだろうな神、、、

神の見えない世界で人間が作る神なんか、似非でしかないもんなぁ、、と、こっち来てから始めて理解できることだよな。神の見えない世界にいたら絶対にわからないことだったなー



ちなみに、王都は、この地方街の100倍以上の相場だそうだ。なにそれ?一生家買えないじゃん、、

庭なし、2−3階の、隣とひっついた長屋作りの小さな家なら金貨3−5枚ほどなんで、一般人でも夫婦で貯めればどうにか買えるらしい。

でもそこまでして王都に住みたいかね?



ーーーーー・・・ーーーーーー



ばっふんばふばふばっふん♪ばっふんばふばふばっふん♪

いやな音だなー、鳴き声?でじゃぶー、、、

今日は狩りの依頼なのだが、、なんか嫌な感じが、、、

だって依頼書、ずーーと上げっぱなしで誰も受けていなかった。報酬も良いのに。

「楽な依頼」だと誰もが言う。

初めてのタイプなので皆で行く。勿論ミケも一緒。


馬?

こっちを振り向いて、ニタリ、と笑う。笑った?!!馬が!!

俺達が追える速度?俺達に合わせている?

「停まって!!」沖田が叫ぶ、俺ら急停止!

小田が冷気を前方に吹きかける、と、蛇が何匹かフラフラ出てきた。毒蛇だ。死なないけど、しびれが一日続く。

皮の厚いブーツを勧められて買っていたんで、大丈夫っちゃー大丈夫かもしれないけど、蛇は飛び跳ねて襲ってくることもあるのだ。


獲物の種類は「馬似」。馬に似ているけど中身はかなり違う様子。でも肉は美味く、高級料理店でよく使われるらしい。名前っ!!名前だ名前!!こっちの世界の名付けは誰がしてるんだっつ!!!『ミケ』神の声がした、、「くっ、、それを言われると辛い、、、」


でも引き受けないんだよな皆。

奴は俺らを待っている?ニタニタしながら。

俺らは再度追い始める。

追いつきそうになった途端、急に左90度曲がった!

とっさに左手に山田、右手に神田を捕まえ、左手にすっ飛んだ。

見えんかったが、蜘蛛の罠があると沖田。

くっそー、、馬似っ!!


これ以上危険なことはしたくない。つーんで、

「ここは小田、お願い!」

集中する小田。ニタニタ笑って俺らを待ってる馬似。

ふっ、と小田が吹くように、、

光より速く、みたいな?一瞬で馬似の額に小さな穴が空いた。氷の鏃だ。

どうっと倒れた馬似。

さっさとさばいて少し軽くしないといけない。沖田と小田が水をバンバン出してくれ、男3人が馬似をバラす。

肉だけにしてズタ袋に収納し、撤収。



「お前ら、馬似の鳴き声聞いた?」

丁度上がりだったのか、ギルドにたむろってた山梨さんが聞いてきた。

そういえば、、

皆を見たが、首を振る。

「誰も聞いてないっす、、ばっふんばばふすか?」

「いや、それは奴の屁だ、、、鳴き声はな、、”や、、ぼく、ぼくを助けて、殺さないで”、って、、」

「「「「「はぁ?」」」」」

「喋れるの?」「知的生命体!!」「獣人じゃん!!殺人じゃん!!」などなど

「いや、純粋に鳴き声なんだよ、、、いやみったらしいだろ?それにあの性格の悪さ、、、一度あいつらの相手をしたら、二度としたくないね、、、」

なるほど、、だから、、、


帰り道、

「どう?」 みなを見た。

「俺は良いぜ?」

「僕もダイジョブ」

「私もいいよ」

「同じくです、今日みたいに一発で、しかも発見したらすぐに倒せば全く問題ない、、、かも?」

「馬似が待っている場所自体がなんか危険な何かがあるところかもしれないから、今度は、投げ縄みたいにつかまえて引っ張ってこられる魔法など使えるようにしといたほうがいいね、私も頑張るから」

火系統が好きな沖田は、森の中での魔法はあまり、、だから今日も出番はサーチのみだった。助かったけどね。


今後、馬似は俺達の担当だなー


まぁ、これでどうにか溜まっていた未請け依頼はほぼ終了した。ギルド的には貢献度いんじゃね?ちったー恩返しになってるかね?




翌日の剣の研修後ギルマスが

「お前ら、職員に評判いいぞ!助かっている。」

溜まっていた未請け依頼のことだな

「いえいえ、剣や魔法の研修やってくれるんで、その恩返しの一貫ですから」

「そう考えるやつがなぁ、、つーか、研修受ける者自体が珍しいくらいだからなー、冒険者、、、」


「皆最初っからある程度できるんですか?」

「いや?さっぱりだぞ?」

・・・・・・・

「どうやってるんですか?」俺も聴きたい。山田も聞き耳!!

「ん?そのまま。何も知らず何もできずに、特攻」

「「「は?」」」「死ぬじゃん!!」

「だから研修できるよ、つーてんのに。でも受けるやつがほとんどいない。で、みーんな特攻して、最初で3割近く死ぬ。大怪我が5割。無傷はいないな、見たこと無い」

だってそれ、、、、

「考えても見ろ?お前らの元仲間たちだったあの”妄想勇者軍団”連中、あれだって同じようなものだろ?」

まぁそうだよなぁ、、全く一緒、、、一般人相手に食い散らかしていただけ、いざ戦士相手になったら全く相手にならなかった。

「なんだろう?、、、身の程を知る、それだけなのに、、難しいもんなんだなぁ、、」

「ギルマス、」

「なんだ?」

「ギルマスが、初心者だった頃って、、」

「・・・・・・覚えてねぇ、、、全く覚えてねぇ、、多分、、少しは、、素直だったんじゃねーか?な?きっと、、、」



後日、初心者は強制的に剣技の講習、魔法の適性講習、をさせられることになった。

ここのギルドのみの制度なので、新人が他に流れるかも、と一部で危惧があったが、結局「今まで生き残った者たち程度がココで登録すればいいだけ。そのくらい来るだろ」ということで納得したとのこと。

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