第4話 借家のつもりが買ってた件と、獣人と日本人


家を借りようと、皆でよさそうな物件を探していた。

不動産屋など無い。でっかい町ならあるかもしれいけど、少なくともこの町では「そんな商売してる者見たこと無いなぁ」とかだった、ギルマスでさえ。


大概、空き家の周囲の家に聞けば持ち主はわかるので直接交渉らしい。

で、それ相応の格の人に契約時に立ち会ってもらう。もしくは商業ギルドでギルド承認の上の契約をする、その場合は商業ギルドに手数料を払う。

問題が起きて双方で解決できない場合、商業ギルドに間に入ってもらえる。

それでも解決できない場合、領主の法廷に介入を求める。とのことだった。


3軒ほど候補に上がった。あとは値段だ。月の宿賃より安くなければ意味半減なので、基準はそこだ。

相場はよくわからん、賃貸家自体があまりないのだ。せいぜい一時借り上げの季節の店屋とかくらいしか見ないから。そっからざっくり見当つけ、多分宿賃より安くできるんじゃないか?と踏んだわけ。沖田がw



結果からいこう。

買った。

田舎町だから売る機会は少ない。なので「借りる?どうせなら買ったら?」と向こうから提案してきた。

沖田様様が粘りに粘って、金貨10枚つまり大金貨1枚で買った。商業ギルドで契約、名義変更。


家と言うより小さな邸。庭もあり、玄関前にはポーチと馬回しまでついている。つまり門から馬車で入ってこられるほどの大きさ。都内の小さな小学校の校庭よりは広い前庭。草ボーボーだけど。


邸自体は、一階の上の方までは石造り、二階は木造モルタル?

でけー玄関を入ると、広間になって、左右に部屋。応接間?居間?に使えるくらいの広い部屋。がらんどーだけど。

奥に食堂とかキッチンとか物置?裏口とか出たら裏庭とか、、


二階は似たような部屋が左右に4、5つづつ?二階の部屋にはトイレ兼風呂がある。一階の奥はトイレやら風呂やら、小部屋やら、使用人の部屋かな?いくつか。

なんかぼろぼろなんで大工さん必要だなー

その足で商業ギルドで良さげな大工さん紹介してもらう。



3週間、そのまま宿を使った。その後新居に引っ越し。家具は最低限にしておいた。まだ収入不安定だからねー。

週3日を一日で終わる依頼を受け、残った日を家の手入れに回した。

前にわの半分を菜園に決定した。賛成多数で。やーまだくん野菜あまり好きでないとのことwだめだめ、こっちは医療が整っていないからね?


つーか、沖田と小田、頼むよ病気や怪我を治す魔法の習得っ!!

食事も少しづつ家で作るようになってきた。鍋釜食器を増やしつつ。

水や湯は井戸で汲んで沸かしてもいいんだが、やっぱ魔法のほうが清潔なので魔法に依存する俺ら。文明人のひ弱さを舐めるんじゃねーぞ?!!



部屋の位置で少々揉めた。

「階段近くが一番先に襲われやすい!」

「人通りが最も少ない奥が最も危険」

「表側が危ないじゃないか?ベランダがあるぜ?」

危ない部屋を特定し、最も危なくない部屋を女子にしようとしているわけだ。


表側ベランダありを男、次を女、その次の階段前も女、その次を男、その次も男、で決まった。入り口入って左側二階を全部俺らにした。向こう側を全部、今の所客用とする。で、決定。




本日は、新居入手パーティー。

山さんたちが帰ってきたら、招待してもう一度やろうということになっているけど。

材料買い出しに皆で市場に行く。


皆唖然と。この中央市場に来るのは初めてだ。近隣では最も大きい市場だと聞いてはいたが、、

あ、規模はまぁそこそこでそこまで驚くほどではない。人種?がすごいんだまた。「なに人?」とかいうのが多いっ!!


「にゃわんにゃわん!」、、は?鳴き声?

唖然としながらそばの全く知らない人に訪ねてしまう!「あの人何人なんすか?!!」

「あー、にゃワン人ね、珍しいのよねー、もともと遠くの国の人たちだからこっちに少ないのよね」

ありがとおばちゃん、、、

で、

 そ の ま ん ま か い !!!

で、

 ど ん ち な ん か は っ き り せ ん か い !!!

いや、別にどーでもいいっすけど、、、俺が口出していいこっちゃないしね?



んな感じで買い物忘れて数時間w

慌てて買い出し始めて、市場が閑散とし始めた頃にやっと買い出し終わった。帰る頃には大半の店閉まってたw


邸に着いたときには、料理とかもうする気なくなってた、、つか、晩飯分もできあいの買ってきちゃってたw♪確信犯wあしたでいいやー!!ってことに。身内だけのパーティなんで一日ずらすのなんでもないしー


そんでも、晩飯時は市場の話題で話は止まらんかった

普段見ないのに、いるんだねぇ、、




翌朝。全員が気になって落ち着かないため、家の事は一時おいといて、全員で調査しに街に出ることにした。


まずギルト。受付で「ごく一般常識的なことでいろいろ聞きたいことあるんですが、よろしいでしょうか?」。

上の会議室に案内された。


これまたギルマス登場。

「おまえらのことは俺が直接面倒見ているから、俺が質問に答えてやる。街で変なこと聞いて回るなよ?まぁ大丈夫だとは思うが、、、」

と意味深なことを。


でも、皆も思っていたこと、少し違和感感じていることをまず聞く

「えっと、俺らのことを誰も何も聞かないんですが、街の人たちは俺らに違和感持ってないんですか?」

「何のことかな?・・などと言っても今更だなー。おまえらはこっちの人間じゃないだろう?なんか”向こう”から来たんだろう?、、そういうの少なくないんだわ。前回は5−6年くらい前かな?数人だったな。」

「「「「やっぱり、、」」」」


「今はどこにいるんですか?」

ギルマスは上を指差した。みな見上げる、阿呆みたいに口を開けて。

「ちげーよw逝っちまったんだよっ!!おなくなりになりましたんだよ!!」


なぜに?顔に出たんだろう、、

「舐めてかかってたんだ奴らは。誰の忠告も聞かなかった。それだけだ」

「「「「「・・・・・」」」」」


「ま、そんなことよりっ!!」俺

「そんなことなのかよっ!!!」

「いや、今重要なのは獣人です、じゅーじんっ!」

「あ?」


「きのう市場に行ったんです中央市場。すっげーすねあそこ!」

「だろうこの近隣じゃ一番のでかさだ!この街じまん「いや、別に大きさなんかさほどでもなかったんでいいんです!すごかったのは獣人たくさん!!すっげー種類!!すっげーいた!!もふもふもふもふ!!!」


「やめとけ。・・いいか?お前ら日本から来たろう?「「「「え?!なぜそれを?!!」」」」


「獣人にそれだけそういう反応するのは日本から来た奴らだけだ。決まってんだよ。でな、結構な数の元日本人達は、町中で獣人達を襲っているんだ、我慢できなくてな。」

「「「「「は?!!」」」」」


「おそってモフりまくるんだよ、通りの真ん中でっ!!!!勿論即捕縛だ。外来だからこっちの常識知らんし、厳しいことするのもなんだと、領主は甘い処罰しかしないが、毎回なんだよ、毎回。かならず日本からきやがった奴らはその騒ぎを起こす!!

おまえら?やるなよ?! や る な よ ?」

「「「「「・・うっす、、、」」」」」


「でも、仲良くなったらモフらしてもらえるとか、あるんすかね?」

「恋人くらいになりゃー、まぁ、、」


「・・・・・・」

「ハーレムとか考えてんなよ?刺されるぞ?」

「(汗)・・・!!!」


「こどもとかモフらせてもらえない?」

「親が許さんだろ?」

「・・・・・・」


「奴隷とか、いる?」

「おまえ、、、、まずもふりたくなるような毛並の良いやつはいない。栄養が悪くてすごいことになっている。ノミダニも当たり前。そういう境遇に落ちた者たちの性格も考えてみろ?ひねくりまくっているぞ?モフり目的じゃ騙されるのが落ちだ」

「オスなら、、モフるだけだし」

「掘られたいのか?」

「(大汗)!!!!!」

「日本人は全員モフラーなのか?」あきれていた。


いやもう、元いた宿とかにも聞きに行こうと思ったが、もうお腹いっぱい、、、お茶のんで買い物して帰った。



一応、獣人にも、ほぼ人間と一緒で耳と尻尾だけついている「無毛種」、見るからに獣人だが毛が短い「短毛種」、同様だが毛がもふもふな「モフ種」がいるらしい。厳密に別れているわけないので、大体な区分けだという。

これも日本人が来てから、日本人が区分けしたらしい。あほうだなぁー気持はよーくわかるけど


あとー、ギルマスがおまけで言っていたが、街の外ではたまに、野生ネコの一種で超ド級ネコが出るとのこと。 でかい、全長10mくらいあるのもいるという。でも遠くから見た目もふもふ、近づくと剛毛、そんでも我慢できなくってもふるとじゃれついてくる→ふっとばされる

でも、「うにゃ?」とかごろごろうにゃうにゃすごく可愛いのでまたもふりたくなる

ダブルバインドである。猫好きには地獄。「魔獣だったらまだ諦めがついた、、」とあるネコラー(外来、元日本人)



たまにおもしろい服装の人がいる。買い物帰りに見るだけに寄った高級街で数人見たが、なんか「ロココ調」っていうの?ふりふりひらひら多いドレスっぽいの、、でも、、なんか色合いとかがキンキラとかヒョウ柄とか虎柄とか、なんか「大阪風ロココ」みたいな感じでかなり怖かった、、、日本人の影響だろうと全員いっち。

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