第3話 くさいぬ


山さん達を見送った俺達はギルドに向かった。

「ちょうどいいのがないなー」

「んーーーー、、、、」

「そうねぇ、」

常時依頼で行くことにした。

よく出没する魔獣は常時依頼として、倒した分だけ報奨金が出る+獲物買い取り。薬草なども常時依頼があるので、魔獣と薬草、みつけたもんを得ていくことにした。



プリップリップププー、プリップリップププー、プリップリップププー、、、

「くッ、こ、ころ・・

ぼかっ!!

「ひ、ひがうはろっ!!」

臭すぎで頭が、、、

「ひょうはっ!」

鼻つまみながら小田が浄化してくれた


「「「「「はぁーー助かったあー」」」」」

「なんだよあれ?沖田知ってっか?」

「この森の定番みたい、、臭犬だって、そのままね。一応魔獣なんだけど、縄張りを定めていつもあーやって匂いと糞を撒き散らして、敵が入らないようにしているみたい、、入らないよね、、、」


「誰も退治しないのか?」

「子供にさえ襲いかからないほどおとなしいみたいで、退治しても報奨でないわよ」

「大迷惑なだけで危険性ナシか、、」

「でも、危険なものに襲われたときに縄張り内に逃げ込めば、猛獣も魔獣も入ってこないらしいわ」

「・・益獣と言えなくもなくなくない?まぁ、退治しないほうがいい、ってとこかー」

「なので、ここは避けていきましょう、薬草などはあるかもしれないけど、獣などの獲物は確実にいないから」

だなー、山田しんでるし、、、神田、泡吹いているけどだいじょぶかー?



などと思うのは俺達だけではありませんでした!でした!!

ゴブリン?

学ランみたいの着ているが?でも棍棒持っている?

「うちのクラスの子の誰かかな?」と沖田。

「よく見えないな、暗くて」森は暗いんです。

「停まって、確認するから」と小田。視覚を強化できるらしい、やぶにらみ気味になってるー

「あ、ゴブリンだー」

「あいつらの他にも近くにいるか?」

「周囲にはなにもいないみたい」

よし突撃だ

「やつあたりっ!!!がおーーー!!」「「おーーーー!!!」」男3人突撃だっ!!臭さの鬱憤晴らし!!!


3匹のゴブリン、即決♪

学ランはネーム入りです♪

「えーと、沢なんとか、、消えている。」

「こっちは高橋」

「こっちは久慈山、くじやまっ?!!!」

「やつがやられた?まじ?ゴブリンなんかに?」

「いやーあの卑怯極まりないやつがゴブリンなんかにやられるわけないっしょ?!」

「んじゃ、服を捨てた?」

「ジモティのを奪って着替えたんじゃ?」

「えーー?ジモティのお?クッサイじゃん?」

「・・まぁ、、、でもこれもすごくクッサイから変わらんのじゃ?」

「あー、クズヤマが自分のを汚したから他のやつのを奪ったってのかな?」

「まぁそんなところじゃないかな?」

「高橋かぁ、目立たない奴だから捨てられて、沢、、沢口か、やつもおとなしいから、口減らしで2人共捨てられたってとこかな。でこいつらにやられて服を取られた、ってとこか、、、もう一人は知らん」

「「「「なむなむ、、、」」」」


当然学ランは奪い返して、持って帰って洗って売る♪、冒険者になって最も高額な収穫だ!!

で、今日はここまでにして帰宅だ!!


帰り道、うさぎかうさぎ型魔獣かしらんが、そんなのを2羽しとめた。宿の食堂のおっちゃんにシチューにでもしてもらおう!!


昨日帰宅後すぐ洗濯して干しておいたら今日昼には乾いたので、午後イチで売りに行った。

帰りに皆で町をぶらついてちょっと贅沢した。いいね、たまには♪。精進落としだ!!

って、俺らも随分太くなったもんだなー。




それから2ヶ月ほど経った。角牛5頭くらいなら無理なく仕留められるようになっていた。


「おまえら、いつの間にか中堅だなー」とギルドの訓練時にギルマスが。

「冒険者にクラスってないんですか?」

「あー?どういう意味だ?」

「何級とか冒険者をクラス付けするとかー」

・・

「んーーー?なんか意味あるのか?」

「依頼受けるときにわかりやすいかなぁ?」

「んなん、自分の実力わかってないやつは生きていけねーし、依頼書には詳細があるんだから、自分がこなせるかどうかわからん奴は生きていけねーし。依頼書の中身だって正しいとか正確にかかれているかくらい見分けるだけの知識と経験は持つべきだろう?下手にクラスとかわけて、それを信じ込んで突っ込んでいくバカとかいたらどうすんだ?」

「あー、まぁ、、そうかな?、、」

「それに、ギルドの職員は皆冒険者あがりだ。その程度の経験持っていないと、冒険者共に情報なんぞ提供できないし、責任持てないだろう?依頼主の言うことをそのまま信じる一般人が職員やってたら怖くないか?」

「、、、そりゃそうですねぇ、、」

「皆、自分の命の責任を持っているし、ギルド職員はそこを理解できているから、皆信用してくれているんだろ?」

「確かに、、、」

らぁのぉべぇええええ!!!  やつあたりですが!!!ですがあ!!!



確かに、こっちに来てから今まで俺らが知った中で、「許可」「免許」「階級」など、最小限としか言えない程度しか見なかった。

絶対に必要なもの、例えば「奴隷売買許可証」これは許可証を発行したそこの領主が責任を持つもの。悪党に奴隷を扱わせないために、必要悪として許可しているだけだ。


宿や食堂や鍛冶屋や薬草屋などは許可証などなかった。不味い、下手くそ、騙し、などすぐ悪評がたち、客が来なくなる。接客態度が悪くても良いものを作ったり売ったりしていれば、ベテランが常連になる。

勿論クレーマーなんぞチンピラだけだ、一般人でそういう頭の腐ったのはいない、そういう奴がいたらハブにされ生活できなくなる。こっちの世界の人々は、見る目があるのだ、必要な行動をとれるのだ。


規制になるようなものは、なければ越したことがない。悪事を見抜く力を持つ人々が、悪をのさばらせる場所を作らないため、規制など作らなくとも防げているのだ。騙される者がいなけりゃ、騙そうとする奴は出てこれない、ということだ。

許可証があっても、許可の範囲内でも、常識を逸脱すれば許可取り消し+罰をくらう。その判断は領主側にあるが、その判断を間違えると、領民から悪評が立つ。なので正しい判断を必要とされる。

そういう世界なのだ。


自分らが、生きていくためだけに、そのためだけの最低のスキルでも、かなり必要になるだろう、俺らのいた世界に比べれば。あっちは、温室だったな、、そう言えば、神がなんか言ってたな、あまちゃんだのもやしだのあまやかされだの、、と、、


皆、同様に深刻な顔していた。俺らは似たりよったりなのだ、この程度は皆わかるのだ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る