第11話 決戦!!式神使いの巫女
《両選手ともにホログラム化成功しました。脳内の神経伝達物質から五感・痛覚・運動・代謝機能までのシンクロオールクリア。
VR空間へホログラム自動転送行います。》
超高層ビルディングや、首都高速が瞬時に
その姿を表す。大都市…東京。
夕焼けが辺り一面を黄金色に染め上げる中、 東京タワーの支柱で相まみえる。
〈それでは決勝リーグを行います!!両選手とも用意はいいでしょうか!?〉
〈それではジェネ・バトル!!RADY!GO!!!!〉
「私が見込んだ相手だけはあるな。
麗…いや、鈴麗」
「鈴麗の庭先での人影はお前だったのか。ウチの本名を知っているとゆうことはあの
手紙も神楽…お前の仕業か」
「ボクは君の素質を見抜いていたからね。
エントリー会場での一件以降、監視させてもらっていたんだよ。君は精神的にもタフにできてるね。あの手、この手で揺さぶりをかけたのに、とうとう心まで折ることはできなかった」
「師匠まで手にかけやがって」
「フッ…あの爺さんは自分の役割を理解していたよ。御託はいい。そろそろボクたちの闘いを始めよう…かッ!!」
刀を抜きざま、渾身の一撃で切りにかかってくる。
スライディングし、前傾姿勢の足元を払う。
思わず前につんのめるかと思われたが、
刀を地に刺し、その反動を利用して後ろ蹴りを撃ってくる。右腕でガード。(視える!今回は前みたいにはいかねぇぜ)
すかさず空いてる左手で撃とうとするが…
神楽は支柱にしている刀を抜き空に身体を任せた体勢で下方から左袈裟を狙ってくる。
一旦、身体をのけぞらしざま後方へと跳ねる。
「フフフ、やるね。流石ココまで上ってこれただけのことはある。ではコレはどうかな?」と言い終わらぬ内に、胸元から
真っ白な護符を五枚取り出す。その紙には朱の五芒星が色濃く描かれている。
「臨・兵・闘…」と、胸元で九字を切ると護符の形が鴉へと変わってゆく。
五羽の鴉が嘴を今にも肉をついばんでくる。五羽の動きはバラバラで、頭を含み四肢の五箇所を攻撃してくる。
「クッ奇妙な技を使いやがって。反則クラスの戦法じゃねえか」
体力を大幅に削られてゆく。
鴉に追われ、行き場を失くしタワーから降下する。
鴉は布石。視なければいけないのは…神楽。
コチラもすかさず、口元から吐息を拳に
まとわせ、前方へと繰り出す
「風圧拳!!」
鴉の群れが風に斬り刻まれ、塵芥へと化す。
神楽もコレには驚いたようだが次々と鴉を繰り出してくる。
ウチも負けじと息を両拳に吹きかける
「オラオラオラオラッ!!!!」
かまわず立て続けに撃ち出す。
鴉が八つ裂きの紙片へと代わってゆく。
思った以上に風圧拳は体力を消耗するようだ。
もう…息が続かねえ。
ヒュー、ヒューと渇いた音しかでない。
し、師匠…
グ…小鈴…お姉ちゃんココまで来たんだけどな。 コイツやっぱり強え、
(おねえちゃん!おねえちゃん。ねぇねぇ母さんみたいにピアノ弾いて。え?弾けないの…じゃあ…)
自然口笛の形になっていた。
あの曲、母さんが弾いてくれた、あの…
スッと身体の力が抜けてゆく。
細い糸のような息を紡いで風圧拳を練りだす。
弾を避けようと上空へ堪らず飛ぶ神楽。
「今だッ!!!!」
コチラも一旦、足を折りたたみ、一気に全身のバネを使って跳躍する。
「闘いとは常に上を取ったものが勝利を掴む!!貴様の国の有名な兵法にも書いてあるぞッ!!そんな真っ直ぐにツッコむなぞ敗北あるのみ」
切っ先がウチの上向いた顎を一点に狙ってくる。
「うるせぇー!!!!」重心を下方へ移す。空中での踏ん張りの影響を受けて袖から、頭と
上着を脱着してゆく。頭上高く吹上られた
衣が神楽に覆い被さり、地に墜ちる。
「クソッなんだコレは!?」
「オラァ!!!!」
視界が塞がれ動揺する神楽に渾身の廻し蹴りを放つ。神楽の身はタワーの脚柱へと吹っ飛ぶ。
「う…ボ、ボクの敗けだ。麗煌…」
「さっきの話しを言え!!師匠の役割とはなんだ」
「お前の師には、ボクでは勝てない。
お前の師だけではない、選手のパートナーにはボク達では勝てないようになっているんだ。だからこそジェネシス様は…お前の…お…素質…を」
「ジェネシス!?師匠も言っていた!?お前は何故ジェネシスを知っているんだ。何故ヤツと繋がっているんだ!教えろ!!」
「知っているも、何もボクは彼の傀儡さ、
代わりができるまでの…」
謎の言葉を残して、神楽は意識を失った。
《神楽選手、意識消失により試合続行は不可!!これにてミス・ジェネシスの優勝者は鈴麗!!鈴麗選手に定まりました!!!!》
鈴麗GALsBOUT―RGB ラウンド4 天球儀ナグルファル!d(*´ω`🎀) @ZERO0312
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