第3話 奇妙な共同生活
その提案はミヒェルから、にべなくあがった。
「傷を負わせた責任をとりたい。
せめて足の傷が癒える間はあたしが身辺警護を務める。安全な生活を24時間体制で保証する。あたしか?もちろん住まわせてもらう。任せろ。外のSPは本日限りで辞めてもらった」
勝手なことすんなよ…
「なんで、お前【ら】と一緒に暮らさなけりゃいけねんだよッ」
「まあまあ〜そう堅いこと言わない言わない♪
ミヒェルは別としてパスポートを帰りの
空港先で失くしちまったんだ。シッカリ者だと思ってシャルに預けてたのに。
再発行の手続きまで世話してくれよ〜♪」
なんて人の気持ちも汲み取らずにダンボール箱一杯の荷物を置くトレットに
「ど、どうせ自炊なんてしてないでしょうからわたくしが振る舞ってあげますわ」と
パスポートの事には一切触れるつもりなく
フリルのついたエプロン姿でシンクに立つシャル。
「ククク…しかもユー、プライベートの一張羅も持ってないの。ナニコノ薄汚い茶のローブは」と、いかにも汚いモノを持つ手付きで
つまんでみせる。
コレには流石に頭にきた。
「帰れ!!!!」
《ピンポーン》インターフォンが鳴る。
「早速、鈴麗を狙う敵か?姿が見当たらない」
ミヒェルが身構える。
《ピンポーン》
ドアを開くと同時に飛び出すミヒェルのAKを2本指で挟み込むとその人物は銃ごとミヒェルを床にねじ伏せた。
「随分手荒な歓迎じゃのホッホッホ。何やら賑やかじゃの」
目を丸くしながらトレットが小柄な老人を
指差す「ナニ、このメチャ強い爺さん」
「し、師匠ーッ!!!!」
「鈴麗のトレーナーですって?」
コクリと師匠は首肯し
「うむ。無事決勝戦まで駒を進めたようじゃの。じゃが次の相手は決勝にふさわしい恐ろしい相手じゃ。出来の悪い弟子が心配で見に来た」そして、財布に手を持っていき渋面をつくりながら
「行きの金しか持ってきてなかったみたいじゃから暫く泊めてくれ」とふんぞり返って言い放つ。
し、師匠…
コイツラのいきさつも話すと
「そりゃ困った時はお互い様じゃ。何を隠そう、コイツも暮らしに困っていた時はワシが
面倒みてやったんじゃからの。
ココも試練の時!めげないマン!
!d(*´ω`🎀)」
なんか、懐かしい、
それに、反論することができない。
こうして4人の賑やかな生活が始まった。
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