第2話 神楽の暗躍
霊安室かと見紛う廟に、2つの人影が
話しをしている。
間接照明が照らし出すテーブルに一枚の写真が置かれてある。どうやら会話はその人物の話題で持ち切りのようであった。
「どうやら、ココまで上がってきたみたいだね。ボクの見込み以上だ。意外とタフネスじゃないか」
偉丈夫な将校が軍学帽を斜めにずらし、
少女の語りかける写真をみやる。
目元や鼻がフードで隠れている為にその人物の造作はつかみ取り難い、かろうじて、暗闇から覗く鼻梁と一文字に引き結んだ唇に意志の強さが感じ取れるだけだ。
「ジェネ・チャイナの選手。知っている相手なのか?」
「知っているも何も…一度エントリー会場で手合わせしてる」
将校は驚きを隠せないといった体で
「ほう、コレは数奇なめぐり合わせというもの。いや運命か」
うろたえる男性を尻目に少女はうそぶく。
「ボクは陰陽師といえど、運命論者じゃないからねえ。その考えには従えないけど。
闘うも闘わないも八卦。
ただ、闘いの基礎がなっていなかったけど資質はあったよ。ホント監視下に置いてて良かった」
(ねえ、麗煌)
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