第46話「ソニック! VS アンバス!!(前編)」
──ぶっとべや、マナッぁっぁぁぁぁぁぁっぁぁああク!!
「あんだ、この野──……
マナックが大口あけてなにか
くーーーーーらーーーーーーーえーーーーーーーー!!
キィィィイイイン!!
グエンの手がスキル発動の光を纏う!
だが、その動きすら敏捷9999と、スキルの効果で音速の世界の速さであった。
そして、その音速のままに──手と折り畳みスコップの先にスキルを乗せたままグエンが必殺の技をぶっぱなすッ!!
「くーーーたーーーばーーーれっぇぇぇええ!!」
おらっぁっぁああああああああ!!
──
スキル名を叫ぶとも叫ばず、グエンがスコップを渾身の力で振りぬいた。
その射線の先にはマナックの間抜け面があり──……。
まさに、グエンに剣が直撃せんとするその瞬間にブワッ────と!!
「んな!?」
「きゃあ!」
「はぶぁ!」
パァァアン!! と、音の壁を破った音がしたかと思うと、猛烈な勢いで鉄色に輝く衝撃波が放射状にマナック達を薙ぎ払うッッ!!
「おげらぁっぁああああああ?!」
「あべしっ!」
ガンゴンガンゴォォォオン!! と、派手にぶっ飛んでいくマナック!
まともに音速衝撃波を食らったマナックはレジーナの顔面に直撃、彼女に「あべし」と悲鳴を上げさせさらに跳ねるッ!
天井、床、冒険者の群れ────「あばばばばばばばっば!」と、連中を巻き込んでゴロンゴロン! と──。
そのうえ、範囲攻撃可能な音速衝撃波は、グエンを中心に半円形を描いて放たれ、ギルド中に冒険者どもを薙ぎ払った!!
「「「ひでぶぅ!!」」」
軽装中心の冒険者たち。
そして、魔法使いなどの防具を着ない連中は軒並み吹っ飛んでいく!
「ちょ! グエンさん、壁ぇぇええ!!」
途中でティナの悲鳴が聞こえた気もするが、衝撃波は冒険者ギルドの壁を突き破って、ドカァァァァアン!! と炸裂。
間抜けな冒険者どもを外に排出してようやく止まる──……。
「あーーーーーーもーーーーーー!! ちょっとぉぉおおお!!」
壁が半分消し飛び、
「ひゅ~♪ やるぅ!」
それを見て、リズだけが大はしゃぎ。
ギルドマスターは口をパッカーとあけているし、
ティナは「オーノー!! 経費がぁぁあ!」とか、守銭奴みたいなこと言ってるし……。
マナックは床に頭から突き刺さってピクピクと、
「うぐぐぐぐぐ……おーのーれー」
そして、レジーナはマナックの頭突きを食らって鼻骨陥没。鼻血が止まらない様子……うわ、ぶっさいくだなー。
「
ガラガラの声で回復魔法を唱えるレジーナ。
その瞬間、彼女の鼻骨がもりもりと盛り上がって整形されていく。
破れた皮膚も元通り──……。
きっも!!
「やってくれたわねー……! グエンッッ!!」
「……やるじゃねぇか、レジーナ」
にぃ……。
グエンは笑う。
(お前は大した女だよ────そう、たいした回復魔法の使い手。おかげで……!)
そして、確信できた。
リズの言う通り、肉片さえ残っていれば大丈夫そうだな──……と。
だから……。すぅぅぅ──。
「──これで心置きなく細切れにしてやれるぁぁぁああああ!!」
「んなぁぁあ?!」
クワッ! と目を見開き、咆哮するグエンにレジーナが仰け反る。
「ひぃ!!」
ワタワタと身をひるがえすレジーナを追うように、一歩をダァン! と踏み込んだグエン。
そして、がしぃ!! と、床に差しておいた二本の伝説の槍のうち一本──グングニルを手にすると、グエンは折り畳みスコップと合わせて二手に構えた。
そのまま、マナック達をまとめて睥睨すると、
「──音よりも速く動けるかよ、アンバぁぁぁあああス!!」
「ッだ、この野郎っっぅぅう!!」
アンバスは音速衝撃波の攻撃を全て受け止めていた。
さすがに範囲攻撃は攻撃力が拡散しすぎてしまうのだろう。それに距離による減衰も著しいらしい。
おかげで奴の背後にいたシェイラや、冒険者どもは無傷。
そして、ほかの重武装をしている冒険者も音速衝撃波の一撃を「耐えきっていた」!!
「そんなチンケな
──耐えきっていたが……!
いたが…………ッッ!!
「だったら、二発、三発、四発────……挽肉になるまで、ぶっぱなしてやるぁっぁあああ!」
「おう、やってみろぉぉお!!」
ズンッ!!
自慢のタワーシールドを構えて、グエンの攻撃など何ほどもない! と構えたアンバス!
ならば、
「──やってやるぁぁあああ!!」
すぅぅ……!!
音速衝撃波ッッ!!
「効かんッ!!」
音速衝撃波ッッ!!
「効かーーーーーん!!」
音速衝撃波、音速衝撃波、音速衝撃波!!
「効かん! 効かん! 効かんッッ!!」
そのことごとくを耐えきるアンバスであったが──……。
「その程度か、パシリぃぃいい!!」
「なわけ、あるかぁぁっぁあああああ!!」
音の速度でぶっぱなしてやるぁぁぁあああ!!
敏捷9999の×音速ぅぅぅううう!!
すぅぅう……!
音速衝撃波、音速衝撃波、音速衝撃波、音速衝撃波、音速衝撃波、音速衝撃波音速衝撃波音速衝撃波音速衝撃波音速衝撃波音速衝撃波!!
「どぅぅぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
ドガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガッ!!
超至近距離で炸裂する
しかし、さすがはSSランクパーティの前衛タンク!
「効ーくーかぁぁぁぁああ!」
すべての衝撃波をことごとく跳ね返す。
しかし、それにしても────……!
バッゴォォォオン……!
今もガラガラと音を立ててギルドの側壁が崩壊。
「うっきゃーーーーーー! ギルドがぁぁ!」
絶叫するティナ!
そして職員が床に伏せて衝撃波をやり過ごす。
もう、ギルドの半分はオープンカフェ改め青空教室のようになっている。
「はぁ、はぁ、はぁ……やったか?」
シュゥゥ…………!
グエンの目前には土埃。
もうもうと垂れ込めるその先に、生きとし生けるものの気配なんて──。
そして、グエンの連続攻撃がやんだ瞬間束の間の静寂が……。
ユラ~リ。
「か、
ブワッ!!
埃を手で薙ぎ払いながらアンバスが出現する!
「舐めんなぁ!! 俺の装甲は鉄をも凌ぐッ!」
「はっ! ならばダメ押しの一発!!」
──がきぃん!
「ぬんッ!!」
と、最後の一発。グエンの音速衝撃波をすべて耐え抜いたアンバス!
「ぜーぜーぜー……! ど、どうだ……! これで、俺の……か、か、勝」
「ふん……。まだまだ序の口ぃ!」
グエンにとって、先ほどまでの攻撃が到底ながら全力であるはずがない。
なるべく、ギルドや周囲の無関係な人間に被害が出ない様に調整していただけだ。
だが、そうもいっていられない。
時間をかければかけるほど、よけいに被害が大きくなりそうだ。
「…………なら、次はこいつの性能を試すためにも、を本格的に使ってみるか?」
グエンが手にしているはニャロウ・カンソーからのドロップ品……!
レアリティSのグングニル!!
「んなぁぁあ! そ、それはぁぁぁあああ!!」
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