第6話 閑寂剣


 こんなところに居たのですね――と、沖田総司が襖を開け放った。


「探しましたよ、まったく。居ないと思ったら、よりによってこんな部屋にいるなんて――」


 沖田が薄暗い部屋に、ぐるりと視線を巡らせる。


「こんなところに居るんですから」


 分かるわけがない――と一瞬、主を失った部屋の天井を見つめて、微かに溜息を吐いた。


「それは申し訳ないことをしましたね」


 柔らかな春の風のような声が応える。


「沖田君どうしました」


 手にした書を閉じて、山南敬助が振り返った。


「こんなところで何をしているんですか」


 沖田が部屋の戸口にたったまま言った。


「いやね、芹沢さんの遺品を整理しようと思いまして」


 どこかバツが悪そうに頭を掻いた。


「そんなもの片づけてどうするんです。まとめて捨てるにしては、少しも進んでいない様ですど」


 山南の手にした書に視線を留め、沖田が露骨に眉をしかめた。


「せめて芹沢さんの縁者の方にでも、なにか形見をお返しできればと思いましてね」


 芹沢鴨――新撰組の初代筆頭局長である。その出自には不明な点が多く、水戸の出身であり、天狗党への残党であるとも、元は神職であったともいわれているが、その真偽について知る者はいない。がっしりと背の高い巨漢。剣は神道無念流の免許皆伝。性格は良く言えば親分肌で豪放磊落。世が世であれば一国を獲っていたかもしれない。だが無類の酒好きで、しらふの時であれば、陽気で世話焼きな親分肌であるが、酒が入ると乱行の限りを尽くす無頼漢でもあった。

 度重なる強盗紛いとも思える商家への金の無心を始め、常軌を逸した乱暴狼藉の限りに対し、新撰組内からも、組織存続を危惧する声が高まっていた。そんな中、新撰組の預かり元である会津藩より密命が下った。


 二か月ほど前――近藤勇を中心とする、新撰組試衛館一派は遂に行動にでた。


「芹沢さんに、そんな上等なもの居るわけ無いじゃないですか」


 呆れたように沖田が吐き捨てる。

 表向き芹沢を殺したのは、長州派の不逞浪士とされている。だが、実際は新撰組内部の粛清行為であり、直に手を下したのは、この沖田である。


「ここは空気が悪いです。山南さんの部屋に行きましょうよ」


 そう言うと、さっさと部屋を後にした。

 やれやれ――と、溜息を吐くと、山南も部屋を後にした。 





 どう思います――と、山南が自室に腰を落ち着けるよりも早く、沖田が切り出す。


「昨晩の話ですよ」


 部屋の主よりも先に座り込み、山南の返事も待たず、沖田が喋りはじめる。


「久慈君たちの遺体の件ですね」

「……久慈?あぁ、違いますよ。女の方ですよ」


 そんな事まるで興味が無いとばかりに、沖田が手を振る。


「女?」

「えっ?もしかして知らないんですか?」


 沖田が頓狂な声を上げる。


「昨夜、久慈さんたちの近くにあった女の死体ですよ」

「巻き添えになったと思われる娘さんのことですね」



 山南が昨夜の件について、近藤から聞かされたのは今朝方のことだった。

 浪士は全員死亡。任に着いていたこちらの隊士も死者が出た。ここまでならば、特別な事ではない。痛ましいことではあるが、どちらも起こりうる話だ。


 だが昨夜の件は少々様子が違っていたらしい。

 不逞浪士二名の死亡はともかく、任に当たっていた新撰組隊士三名までもが、全員命を落としたという。

 相手方に、更に数名の仲間がいたのではないだろうか。こちらの隊士を斬り捨てた後、残党は逃亡したのではないか――山南がそれを口にするよりも先に、近藤が否定をした。


 現場に残された計五名の遺体。いずれもが、獣にでも襲われた様な無残な屍を晒していた。更に、どうやらそれは久慈が行ったと思われる――近藤は言葉を選びながら、そのように説明した。


「何故、久慈君がやったと?」


 山南の疑問に、近藤は現場の惨状を語って聞かせた。


「憑き物ですか?」


 鼻筋に指先を当て、山南が眉をしかめた。


土方は否定したがな、俺にはそうとしか思えなかったのさ」


 そう言って近藤は乾いた笑みを漏らした。

 兎に角――と、近藤は居住まいを正し、


「あまりにも異様な状況であるが故に、この件に関してはしばらく箝口令をしかせてもらう」


 心得ておいてくれ――と、頭を下げた。

 未だ盤石とは言えぬ新撰組の状況にあっては、それも仕方の無い事であろう。

 成程。通常であればこのような場には局長の近藤に、両の副長である山南と土方の三名であたるが常である。だがもうひとりの副長である土方は今頃、昨夜勤番だった連中の口を堅く縛り上げているのだろう。

 近藤の言葉の中に、重いおりのようなものが有ることを、山南は感じていた。


「分かりました。ですが、あまりお独りで抱え込まれないように。その為に我ら居りますことをお忘れなく」


 そう言って部屋を出ようとしたとき、

 若い娘の遺体があったのだ――苦いものを吐き出すように、近藤が呟いた。


「どういう事です?」

「我らの関与すべき件では無いのかもしれん」


 だが――と、近藤は口籠り、


「いや、忘れてくれ」


 と、口を閉ざした。


「心中お察しいたします」


 そう言い残し、山南は局長の部屋を後にしたのだ。




 沖田が口にしたのはこの話である。


「そのような件を話しても良いのですか」


 山南が呆れたように苦笑する。


「こんな面白い話、黙っていられるわけがないじゃありませんか」


 安心してください――と、沖田が顔を近づけ、


「離す相手は厳選してますから」


 沖田が得意そう胸を張り、


「なにしろ第一発見者は、わたしなんですから」

「なんだって」


 驚く山南に気を良くしたのか、沖田が子供のように満面の笑みを浮かべた。


「土塀を割るようにしてね、太い樹の根が盛り上がっていたのですよ。ちょうど女が股を開いたみたいに――」


 確かに、事件現場の辺りに土塀を突き破るようにして、槐の老樹が突き出していたのを山南も記憶している。


「その根元にね、若い女がもたれかかっていたんですよ」


 沖田は闇の中に、ぼんやりと白いものを認めたのだという。近づいてみると、強烈な血臭が鼻をくすぐった。


「近くにいた奴を呼びつけてね、提灯で照らしたんですよ」


 そしたら――と、沖田が声を潜めた。


「こうね、鳩尾の下あたりから股座にかけて、ぱっくりと割れて――否、斬られてたんですよ。白い脂やら赤黒い臓物やらが、洩らしたように地面に広がっていましてね」


 沖田としたら、より事細かに伝えているのだろうが、講釈師のような口ぶりに、山南は正直なところ辟易した。


「沖田君。申し訳ないが――」


 その嬉々とした口調を嗜めようとしたときだった。


「――裂かれた子袋の中に、黒い赤子が入っていたんですよ」

「赤子?」

「驚きました?」


 悪戯が成功した童のような顔で沖田が笑う。


「沖田君」

「赤子は冗談ですが、子袋の中に黒いものが入っていたのは本当ですから」


 険しい顔になった山南を見て、沖田が慌てて言葉を捲し立てる。


「だからですね子袋の中に、まるで赤ん坊のように黒い観音さまが入っていたんですよ」

「黒い観音?」


 自ら発した言葉に、山南の背筋がざわめく。


「そうなんです。黒い観音像。どうです――」


 面白いでしょ――と、沖田が無邪気に笑った。


「沖田……」


 分かっている。悪気があるわけではないのだ。

 江戸試衛館、天然理心流四代目である近藤勇の一番弟子。

 そして同じく、近藤が局長を務めるこの新撰組において、剣の腕前において一・二を誇るこの沖田総司という青年。

 天才の名を欲しいままにするこの若き剣士はどこかまだ、童の如き無邪気さを捨てきれないところがある。それがこの青年の魅力であるのだが、それは同時に狂気と紙一重のように思えてならない時がある。

 無邪気とは、邪気が無いのではなく、のである。

 もっとも沖田の場合、邪気だけでなく様々な事に自覚がないと思いたくなる節がある。


「本当に残念だ」


 心配そうな山南の心中を知ってか知らずか、沖田は子供のようにがっくりと項垂れた。


「どうです。この事件、単に不逞浪士の取り締まりなんてことよりも、物凄いことが有りそうな気がしませんか」

「物凄いこと?」

「例えば、千年王城たる京の都に、はるかか昔から跋扈する妖怪変化の仕業とか」

「妖怪変化ですか」

「或いは、淫祠邪法を繰り幕府転覆を企む妖術師の仕業とか」


 童の戯言のような事に、山南は静かに耳を傾けている。

 それにですよ――と、その様子に気を良くした沖田が言葉を続ける。


「なにか妖しい術にでもかけられたのであれば、久慈さんが兵藤さんらを喰ったことも納得が出来るじゃありませんか」


 けろり――と、物騒なことを言う。


「沖田君――!」


 咎めるように、山南が眉を寄せる。


「大丈夫ですよ。どうせ皆が言っている事ですから」


 あっけらかんと、沖田が言う。


「左之さんなんて、昨夜出張った連中を掴まえて、半ば脅すように話を聞きだしていますよ。いくら鬼の副長が恫喝したって、戸口たてるなんて――」


 無理無理――と、沖田が笑った。


「ねぇ、山南さん」


 背筋を但し、沖田がずいとにじり寄った。


「山南さんは、妖怪変化の類いを見たことがありますか?」


 童のように瞳を輝かせ、真っ直ぐに見つめてくる。


「……いや。そのようなモノなど憶えは――」


 無い――と、山南が首を振る。


「山南さんほどの博識で見聞の広い方でもないのですね」


 がっくりと、沖田が肩を落とす。


「ですがこの京は、なんといっても千年王城。妖怪変化の生まれ故郷みたいなもんじゃありませんか」


 一転、沖田が瞳を輝かせる。


「今回のこの仕業こそ、妖怪変化魑魅魍魎の仕業だと思いませんか」

「君はなにか、誤解をしていないか?」


 山南が苦笑を洩らす。


「そりゃね、巷で噂は色々聞きますよ。どこそこの井戸は地獄に通じてるだとか、百鬼夜行の通り道だとか――挙げればきりが無い。でも、京に来てもう半年以上たつのに、この眼で見たことがないんですよ」


 まるで物見遊山の子供のようなことを平気で言う。


「土佐勤王党の連中なんて、剣を振り回すだけじゃ飽き足らず、妖しげな呪詛までつかって邪魔者を暗殺してたって言うじゃないですか」


 事の真偽はともかく、そのような噂があった事は、山南も耳にしている。


「要するに昨夜の一件は、人外の何かが久慈君に憑りついた……ないしは不逞浪士一派が呪詛でも仕掛けたのだろう――沖田君はそう言いたいのですね」

「山南さん――わたしの言いたいことが良く分かりましたね」


 ぽん――と、沖田が手を打つ。


「わたしは源頼光よろしく、一度で良いから妖怪変化や化物相手に、この剣を振るってみたいと思っているんですよ」


 沖田はいてもいない剣を構え、不敵に笑みを浮かべた。

 確かに、沖田の剣の腕は隊の中でも群を抜いている。それに加え、この童のような無邪気な性格を併せ持っていれば、そのような事を思ってみても不思議はないのかもしれない。


「確かに、沖田君の言うことも一理あるのかもしれませんね」


 顎先に手をあて、山南が深く頷いた。


「えっ」


 近藤にこのような話など出来るわけも無く、ましてや土方になど話せば、頭ごなしに怒鳴り散らされるのが関の山だろう。だが山南ならば呆れながらも、苦笑交じりに聞いてくれるだろう程度に考えていた。だが、このように真摯に頷かれると、それはそれで調子が狂うというものである。


「まず、久慈君たちの件と腹を裂かれた娘さんの件。これらがどう関係するのか、或いは全くの別件なのか。これにより話は変わってくるのでしょうが」


 ですが――と、沖田を見つめ、


「妖怪、魑魅魍魎の類いはさて置き。無残な屍を晒していた娘さんの件は、なにやら呪詛儀式めいた意図を感じますね」


 山南の口角が微かに上がった。


「そうですよね。そう!そうなんですよ山南さん!」


 気を良くした沖田が、にじり寄る。


「それがですね山南さん。妖怪だってあながち眉唾とも限りませんよ」

 わざとらしく声を潜め――


「巷の噂知ってます?」

「噂?」

「鬼姫と黒い獣」

「なんですそれは?御伽草子か何かの類いですか」


 山南が小首を傾げる。


「違いますよ。まったく山南さんは世事に疎いんんだから」


 いいですか――と、沖田がひとつ咳払いをし、


「これは栄吉から聞いた話なんですが」


 栄吉とは、屯所の近くで小間物屋を営む家の息子で、壬生寺の境内でよく沖田が遊んでやっている悪童たちのひとりである。


「そのね、鬼姫が黒い獣を従者にして、夜な夜な京の町を徘徊しているらしいのですよ」

「徘徊?」

「そうです。それもね、寺やお社によく出没しているんです」


 まるで見て来たかのように、沖田が言った。


「寺社仏閣詣ですか」

「といっても、殆どが人気のない古い社や、使われていない破れ寺ばかりなんだそうですけど」


 妖怪変化ねぇ――と、山南が呟く。


「燃えるような紅い瞳の鬼姫がね、そこで狂ったように獣と戯れているらしいのですよ」


 鬼姫は、闇夜で瞳を紅く光らせているという。


「沖田君。君の言う噂の話は分かりました。だがそれと、昨夜の件がどこで繋がるというのです」

「昨晩もね、出没したらしいのですよ。鬼姫と黒い獣が」


 矢張り栄吉の仕込んできた噂話らしい。昨夜、久慈たちの殺された本國寺付近に、鬼姫と獣が出現したというのだ。


「それは本当ですか」

「もちろんです」


 得意そうに沖田が頷く。


「むう」


 腕を組み、山南が唇を結んだ。


「あながち噂とも言い切れないか……」

「何か言いましたか」


 山南の呟きは、沖田の耳には入らなかったようだ。


「そんな訳ですから早速今宵、確かめに行きましょう」

「はぁ?」


 余りにも唐突な沖田の言葉に、山南が眼を丸くする。


「何の当ても無く探索に出るというのですか」

「確かに興味深い話ではあるが、この程度のことで土方君を納得させるのは些か無理があるのではないか」

「土方さん?」


 なにを言ってるんです――と、沖田が呆れたように苦笑する。


「分かってますよ、そんなこと。当たり前じゃないですか」


 いやだな山南さん――と、沖田が溜息を吐く。


「ですから、行くのは祇園ですよ」

「祇園?」


 常の沖田の発想も童のように自由奔放であるが、今日の発言はより一層突飛である。


弓月ゆづきって芸妓を知りませんか?」

「すまないが、覚えがないな」


 近藤を始め、隊士はよく花街に繰り出すが、山南が脚を向けることはまずない。誘われれば無下にはしないが、艶やかな場は苦手である。

 それは、沖田も同じであったはずだ。沖田に至っては興味自体が無いらしい。

 一連の突飛な言動よりも、そんな沖田の口から、祇園だの芸妓だのと飛び出すことの方が驚きである。

 と、同時に、山南はそれが少しばかり嬉しくもあった。

 任務とあらば、非情の剣を無邪気に振るう天才剣士。非番の時は、近所の童たちとよく遊ぶ沖田の姿に、どこか危ういものを感じているのは山南だけではない。

 ようやく年相応の春に目覚めたか――山南でなくとも嬉しく思うものはいるだろう。


「――わたしは、その弓月が鬼姫じゃないかと思っているんですよ」


 ……えっ?

 思わず笑みをこぼしかけた山南は、唖然と眼を見開いた。


「左之さんが言っていたんですけどね――」


 原田左之助は、江戸試衛館時代からの盟友である。元々は松山伊予藩士であったが出奔。種田流の槍を使う、豪放磊落を絵に描いたような男である。暇と金さえあれば、花街に入りびたる左之助が仕入れる情報は、酒席の戯言に等しく確度が低い。

 そんな話を沖田だけは、いつも大喜びで聞き入る。


「つい先日、左之さんが祇園でその弓月を座敷に呼んだらしいんですけどね――」




 四日前――左之助が懇意にしている芸妓が他の座敷にとられ、代わって座敷に上がったのが弓月だった。

 最初こそ不満を口にした左之助だが、弓月の美しさとなんとも不思議な雰囲気に、たちまち見惚れてしまった。

 二刻ほど楽しんだ頃だろうか――ふと、左之助に酌をしていた弓月の手が止まった。

 その瞬間、酒がこぼれ左之助の膝を濡らした。

 おいおい――と、赤ら顔の左之助が、弓月を見上げた瞬間――。





「こうね、弓月がなんとも怖い顔をして、障子の向こうを睨みつけるようにしていたんですよ」


 まるでその場に居合わせたかのように、沖田が障子を睨みつけた。


「でね、ほんの一瞬ですけど弓月の瞳が、こう――仄かに紅く光っていたんですよ」


 興奮したように、沖田が畳を叩いた。


「君もその座敷にいたのか?」

「まさか」


 あっけらかんと沖田が首を振る。


「原田君が悪酔いしていたわけではないのか?」

「あの人は、酒に呑まれても酔っ払うことはありません」


 無茶苦茶な理屈である。


「ですから私たちで、今から弓月の正体を見極めに行きましょう」

「あのね沖田君――」


 そういうことか――溜息と共に、山南は己の額を叩いた。

 沖田総司とはこのような青年である。面白いと興味を持てば、後先考えず居ても立っても居られない。天真爛漫。良くも悪くも、童のままなりだけが大きくなったような男なのである。


「いくらなんでも今の直ぐで、その弓月とかいう芸妓の座敷をとれるわけないだろう?それに、昨夜の一件もある。流石に昨日の今日で花街に繰り出すというのもなぁ」


 ――気が引ける。


「もし仮に会いに行くにしてもだね、日を改めて――」

「御心配なく。三日ほど前に座敷はとってあります」


 きっぱりと沖田が言い放つ。


「は――はぁぁ?」

「安心してください。用意は万端整ってますから」

「そう言うことか……」


 根が童である沖田は、花街になどまるで興味が無い。だが、童であるからこそ衝動的好奇心に抗いきれない。

 否――抗わない。

 三日目と言えば、左之助が弓月の座敷に行った翌日である。

 恐らく、左之助に話を聞いたときから、居ても立ってもいられなくなり、すぐに行動に出たのだろう。

 つまり、昨夜の事件があろうが無かろうが、沖田の中でこの話の流れは出来ていたのだ。


「大丈夫。なんの心配もいりません。山南さんはご金子きんすを握りしめて、私と一緒に来てくれればいいのですよ」


 さぁ――と、山南の手を引き、沖田が立ち上がった。


「お、沖田く――」


 さあ行きましょう――と、沖田が浮かべる笑みは、無邪気な童のそれであった。






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