第8話 聖騎士の拠点(魔術ベース日本支部)
「は?瞬間移動・・・?」
嘘だろ・・・?
こんなに高位の魔法を息をするように使うのか。
昔読んだ本に瞬間移動の術式が乗っていたがあれは複雑な魔法陣が必要なはず。一体どうやって・・・
「そうよ。久しぶりに使ったから疲れたわ。」
やっぱりレベルが違いすぎる。
うちの学校から一人も聖騎士になれない理由がわかった気がする・・・
彼らは間違いなく天才だ。
魔力さえあれば俺も、なんて考えていた自分が恥ずかしい。無知とは恐ろしいものだな。
「さぁ。行くわよ。憧れてたんでしょ?ついでに見学でもしていけばいいじゃない。」
見回すと、そこは何年も憧れ、夢見てきた場所だった。
目の前には大きな寮が4つ四角形を描くように建てられており、その中心には見たことがないほど大きな城のようなものがそびえ立っている。
テレビや教科書でしか見たことのない世界。
本当にあったのか。
その周りにもたくさんの建物があってまるで1つの王国のようだ。
「まぁ、見学と言っても日本支部だし本部ほどの大きさはないけれど。先にこの人たち届けようか。」
次の瞬間、俺たちは大きな執務室のような場所にいた。
きっとさっき見た城の中なのだろう。
1人の男が深紅の制服を着て座っている。
あれは、まさか・・・
「さっきお前から連絡を受けたときは驚いたよ、アリス。4年ぶりか?」
「そうね、久しぶり。ノア。」
すごい魔力。
アリスほどではないにしろ俺はドアの前から動くことが出来なかった。
「その男は?初めて見るな。」
「彼は如月蒼。私の学校にウラトルが出たのだけれど彼が生徒たちを救ったの。あなたたちがウラトルの調査で日本にいると聞いたから生け捕りにしてきたわ。」
「それは助かる。しかし、本当に彼が?下級の構成員とはいえ魔力なしでは厳しいだろう。」
流石に俺に魔力が無いことを見抜いてる。
というかあれが下級なのか?
「それについては後で報告書を出すわ。ところで、頼みたい事があるのだけれど。」
「なんだ?珍しいな。」
「今、聖騎士の枠って開いてる?」
「あぁ、先月一人任務中に殉職したからな。」
こんなにすごい力を持っている聖騎士でも亡くなる人がいるのか。
やっぱり危険な仕事なんだな。なんて人ごとのように思っていると、
「私、そろそろ復帰しようかと思って。」
「本当か!?助かるよ。最近反聖騎士勢力が強くなってきて手に負えないんだ。すぐにゼウシス寮を設置する手配をしておくよ。
「ありがとう。それと彼をゼウシス寮の聖騎士見習いとして迎えるから。」
そう言って彼女は俺を指さした。
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