第12列車 列車やホームでの出会いは突然に

 今からひと月前の3月、私はスーツを取りに行った後、隣町からフリー切符で札幌などに向かうその道中の出来事。駅で札幌行きの特急列車を待っていた。隣では、老夫婦が困っていたようだった。僕は思わず、老夫婦に声をかけた。

「困っているようですけど、どうかされましたか?」

「いやぁ、どれに乗ればいいかわからくてねぇ」

「すみません、お手元にある切符を見せもらえますか」

私はそう言って、老夫婦が持っている切符を見せてもらった。この夫婦は、帯広まで行くようで、帯広までの乗車券と南千歳駅までの特急列車の指定席、南千歳から帯広までの特急列車の自由席を持っていた。

私は帯広までの乗車券と南千歳駅までの特急列車の指定席、この二つの切符を改札機がある隣の駅員に見せてもらうように夫婦にアドバイスをした。

「ありがとうね~」

「いえいえ、大したことはしていないです。指定席の乗り場まで案内しますよ」

「あら、そこまでやって頂くなんて、あなたの親の育て方は素晴らしいはずだわ」

「いやいや、親は自由奔放の育てもらって、困っている人には助けているのは何度か見かけていましたから」

列車が待っている間、夫婦とたわいない話をした。そして、僕は自由席の乗るので老夫婦を後にした。

こんなに人と会話をするのが楽しいと思うのは久しぶりだった。この老夫婦は今でも元気なんだろうか、学生生活を送っていても思い浮かべる。

 それからひと月後の4月末の出来事だった。学校が終わり、用事で札幌に行っていた私は、時間が余ったので帰る時間を21時頃とし、それまでの間は様々な列車を撮影することにした。その撮影が終わり、普通列車に乗り、座席に座っていた時にその出来事が起きた。年配の夫婦が列車の発車時刻の2分前に乗り込んだ。

「あれ?これ快速エアポートじゃない?」

「あぁそうだ乗り間違えたかもしれない。」

「どうしようねぇ。」

という夫婦の会話が聞こえた。その時、私は思わず

「どうかされました?」

と声をかけてしまった。

「いやぁね?列車乗り間違えたかもしれなくてさ、~駅まで行きたかったんだよ。」

と夫が言ってきた。どうやらこの夫婦は、私が降りる駅の2つ前の駅で降りるようだった。

「その駅でしたら、この列車で合ってますよ。」

「そうなんですか、それはよかった。」

 この話をしたときに夫婦は安心したようだった。

私と夫婦が乗っていた列車は、列車は普通列車だが、車両は小樽~札幌~新千歳空港間を結ぶ、快速エアポートという6両編成で指定席がついてあるタイプだった。行先表示板を見ない状態で乗ったら、誤乗したかもしれないという不安に襲われるはよくある話かもしれない。

その後は、その夫婦が降りる駅までの間は様々な会話した。夫婦が降りる駅に着いたときに別れ際

「見ず知らずの私たちに声をかけてくれてありがとうね」

と告げて、列車から降りて行った。

 列車や駅、ホームでの人々の出会いは突然起こり、その別れも突然起こる。鉄道がある限り、人々の人生という小説や漫画、アニメなどのような物語が生み続けている。鉄道はただお客様を安全に、快適に、目的地を運ぶだけではない。人生という物語も運び続けている。



~あとがき~

ご覧いただきありがとうございます。人生時々列車内の作者の無才能です。

 前回の作品投稿から約2~3ヶ月の間が空いてました。実はこの間、大学に進学するための準備であったり、引っ越しだったりと色々多忙でした。そして、何よりもスランプに陥っていたということもありました。ある日、突然、この作品対する書くやる気や愛情などがなくなりました。ですが、しばらくは書くことから離れたらもう一度、この作品で書いてみようという気持ちに戻り、今に至ります。

 そんなことがある中で、僕の作品がランキングが上がったり、PV数が200近くになるのは凄いうれしかったです。「かけていなかった期間、それでも見てくれているのだと」と。また新作が出来上がったら、ぼちぼち読みに来てください。僕のこの作品は実体験や列車に乗っていて考えていること、思っていることを書いています。この作品を読んでどう思うか、どう考えるかは今、読んでいる皆さん次第です。

 それでは次回の作品の「あとがき」でお会いしましょう。


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