第10列車 特急おおぞら1号 帯広へ

 7時17分、列車は駅到着アナウンスと共に入線し到着。到着の列車は「特急おおぞら1号」釧路くしろ行きである。当列車は札幌6時48分に出発し、釧路10時58分に到着、所要時間は4時間10分、距離にして348.5km。南千歳駅停車中はエンジンがホーム中に鳴り響く。7時20分、列車はエンジンが「グオォォン」と鳴り響くと同時に南千歳みなみちとせ駅を発車。流れる景色は曇り一つもない晴れから約10分、白銀の世界が広がる。そうした景色が次の152km先の御影みかげ駅まで続き、目的地である帯広おびひろ駅には白銀の世界から快晴に戻った。私は約2時間の短い時間乗車していたが、この間に心はワクワクでたまらなかった。行ったことない街、見たことない景色、ずっと前から乗りたかった車両、ずっと前から乗りたかった列車、初めて1人で自分のお金を使って遠くへ行ける、何もかもが初めて、何もかもが初めての経験だった。大人は「学生のうちはめちゃめちゃ時間がある」という言葉は耳にタコが出来るほど聞かされていて、頭の中にも残っている。だから私は学生のうちに一人旅をしてきたのである。あとは体力があるうちに行きたいというのも正直な理由でもある。約2時間乗車は実にあっという間でだった。結論からすると景色は最高だった。

 帯広までの間の途中、田畑だらけの光景やトンネルを通り抜けた山間部は白銀の世界、御影を過ぎれば雲一つのない快晴で雪などは一切積もってもいない2時間前に見たような光景が高速で流れる車窓から見れたのである。生まれた時からずっと北海道にいるが、短時間でこんなに変わるのは我ながら初めてだ、何より車内は空いていて座席は倒しやすい環境だったので快適だった。そして肝心な帯広は、都会だった、そして寒かった、流石は冬場の北海道だけある。帯広駅構内には豚丼などが売ってある店があったり、地元特産品の炭酸飲料水、清涼飲料水が売ってある自動販売機があった。ところがこの自販機、様々な味があったのだが今でも忘れなかった味がある。「黒豆サイダー」だった。とはいっても買わなかったが衝撃的な味の名前であった。黒豆とサイダー?なぜ組み合わせようと思ったのか謎である。次の列車は「帯広9時53分発、特急おおぞら4号 札幌行」である。私は帯広では約30分滞在し、札幌へ向かう。。


乗車した特急おおぞら1号に使われた車両は、2022年3月のダイヤ改正にて定期運用から退いたキハ283系である。

 線路上でカーブを通過する前に車体を少しだけ傾けて走行する振り子式の車体傾斜装置を導入されている車両でカーブ区間が多い石勝線などでは札幌~釧路間おける時間短縮にも貢献した車両である。また、この車両はJR北海道が所有する振り子式車両は2番目に登場した車両である。1番目は2022年5月現在、札幌~函館間を走行する特急北斗の定期運用を持っているキハ281系車両である。このキハ281系ができたおかけでキハ283系が存在するといっても過言ではない。

 そんなキハ281系もそろそろ運用を終える時期が来るようだ

 






〜エピローグ〜

時代は進む。私たちはその流れが早い中で生きている、技術の向上・進化、病気の治療の開発の新たな境目。ダイヤ改正で生まれてゆくものと消えてゆくもの、それぞれが想い描いていたものとは同じであったり、違っていたり。そんな中での私の一人旅であり、途中下車の旅。私は「青春とは?」「己の心の中の葛藤」「学生にしか経験とは?」様々なことを日々考え続けてきた。この作品が「面白い」「面白くない」「微妙」のパターンのそうである。だが、一人旅をして見たらそんなことはどうでも良くなった。遠くに行けば行くほど。この経験は私にとっては価値がめちゃめちゃあるだろう。





〜あとがき〜

最後までご覧いただきありがとうございました。作者の無才能です。長らくは投稿していませんでしたね。気づいたら順位が上がっていてびっくりしたのはつい先日のことでした。まだ読んでくれている人がいるんだなと感動した同時に素直に申し訳ないと思いました。ですが、このシリーズが長く続いているのも今、ご覧いただいている読者の皆様のおかげでもあります。本当にありがとうございます。何はともあれ、これからもリハビリがてらちょっとづつ投稿していきますので、そのお付き合いどうかよろしくお願い致します。

2021年12月17日 無才能

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