第二話 魔王様とお仕事#1
城塞都市『コンコルディア・ロクス』探索者ギルド指定宿『銀翼の家鴨』亭。
根無し草が多い探索者達のための宿で、狭くてあまり清潔ではないけど宿泊料は極めて安い。
ベッドと簡単な棚しか無いから寝て荷物を置く程度のことしかできない。
プラスとして申し訳程度の朝食がサービスに付いてくるぐらい。
だけどある程度の信用さえあれば、ツケ払いさえもオッケー。
低収入探索者にとっては、大袈裟じゃなく命綱とも言えちゃったり。
もちろん、安い料金には部屋の質以外に理由がある。
ご存知の通り探索者の仕事は危険と隣合わせ。
仕事に出かけたまま帰って来ないなんて話はそれほど珍しいことでもない。
その未帰還の探索者が残した荷物は先払いされた宿泊料の日数だけ保管され、その後はギルド黙認で宿の物になる契約となっちゃっている。
その遺品を売り払えば値下げ分ぐらいは充分に補えるという寸法だ。
まぁ、探索者の端くれとして思わないことが無いでもないけれど、その仕組の恩恵をしっかりと受けている身としては悪しざまに言うのも、そのねぇ……。
「はー……今日は疲れた……」
そんな宿のいつもの一室で、わたしは荷物の整理もそこそこにゴロリとベッドで横になった。
(あー、やっと一息付ける)
本当にいつになく濃い一日だった。
元魔王(自称)様と遭遇したり、砦規模のゴブリンとガチンコ勝負をしてみたり、ついでにアイカさんの入浴を手伝っちゃったり……。
入浴……お美足……大玉メロン……ゴクリ。
いやいや違う、そうじゃない。
ともかく色々と予想外の出来事があったけれど、これでいくらかまとまった金額が手に入る。
ついでにあの大きさのゴブリンの巣を無力化したんだから、特別報奨だって期待できるかも。
あ、いやでも。
ゴブリン退治に関してはアイカさんの一人舞台だったから、特別報奨についてはアイカさんに権利があると考えるべきね。
わたしにしてみれば依頼料+約束のボーナスだけで充分な報酬になるし、そもそもアイカさんは手持ちの現金が無いのだから丁度良い。
預かってる砂金は返して、必要になるまでとっておいて貰えば良いし。
こんな高価なモノ。怖いのでいつまでも持っておきたくないってのが正直な所。
もし無くしたりしたら、とても弁償しきれるものじゃないし。
貸倉庫に預けるにしても万が一が怖いし、かといって確実に安全な銀行の貸し金庫となると結構な額の保管料を要求されるし……。
うーん。そもそもアイカさんが自分で持っているのが一番安全だと思うんだけどなー。
あの人から持ち物を奪ったりスったりするのは不可能に近いんじゃないかと思ったり。
「………」
そうでもないかも。
あの人、結構ドジっ娘成分もっているみたいなので、どこかに落としたりしそうな気も……。
「まぁ……いいか」
さっきから瞼は引っ付きたがってるし。
とりあえず明日考えれば良いことは、目が醒めてから……。
「うーん……」
夜半過ぎ。何故か異様な寝苦しさでわたしは目覚めた。
体中を何かで強く拘束されているような感覚。
顔のあたりも堅いような柔らかいような何かで圧迫されているようで息苦しい。
(まさか、誰かが精神攻撃を……?)
以前に探索でヘマをやらかして精神ダメージを与える呪いを受けたことがあったけど、丁度それと似たような感覚だ。
ただ疑問は残る。
探索でトラップに引っかかった記憶はないし、いわく付きのアイテムを入手した覚えもないし。
となれば誰かから呪いをかけられたと考えるしかない。
なんだかんだ長年活動しているから、今まで色々あったのは認める。ただいきなり呪いを掛けられるほど大きな恨みを買った覚えは全然ないし、わざわざ呪いなんて回りくどい手を使われる心当たりが全くない。
っていうか、そもそも人を呪うには、様々な道具を揃え手間暇かかる準備が必要なワケで。
(それに……)
呪いって普通は肉体への影響以上に悪夢や精神的不安定を引き起こし更に苦痛を与えてくるものが多いのだけど、今回はそれが全く無い。
確かに身動きできない拘束感はあるものの、それにしてはなにか柔らかい物で包み込まれているような感触だし、不快感どころか逆に気持ち良い気すらあるし、どことなく良い匂いまでするような……。
「すー、すー」
耳をくすぐるような可愛い寝息さえ聞こえて――。
「……!!」
刹那、全てが一本の糸のように繋がる。
「まさか!」
重たい瞼を無理やり動かして両目を見開く。
最初に目に入ったのは、とんでもなく立派な谷間、だった。
そう。なんのことはない。
まるで抱き枕のように、わたしの身体は誰かに抱きしめられているのだ。
(ちょ、ちょっと……!)
いや、誰だかなんてすぐにわかる。
いつの間にかベッドに忍び込んできたアイカさんだ。
「む、むぐぐぐ」
なんとか身体を動かそうともがくけど、その柔らかさとは裏腹にわたしの身体をがっしりと抑え込んで微動だにしない。
「にゅふふふふ」
それどころかくすぐったいとでも言いたそうに寝息の合間に笑みすら浮かべている。
ず、随分と余裕があるじゃない。
「むー! むー!」
全力で暴れようとするけど、アイカさんから見れば、それこそ子供か子猫でも暴れている程度にしか感じないのだろう。目覚める気配もなければ力が緩む気配もない。
そりゃ、わたしとアイカさんでは絶望的な力量差があるのは間違いないし、それでなくともレンジャー寄りのわたしでは体力勝負なんてお話にならない。
……ちくせう。
(いや、でも)
しかし逆に考えてみれば、これは散々振り回されたアイカさんに仕返しできるチャンスなのではないだろうか?
何しろ向こうから近づいてきたワケで、これはもう……うふ……ふふふふ。
「んふふふ……オイタはいかんぞぉ」
その瞬間、アイカさんの腕の力が急に強まる。
まるでわたしの思考を読みでもしたのか、ギリギリと締め上げる力が強まっている!
(いやいやいや、マジ?)
野性味あふれる人だったけど、まさか心まで読めるの?!
それとも魔王たる者それぐらいできて当たり前とか?!
「ごめんなさい! ちょ、ちょっと。ちょーっとだけ魔が差したんです!」
いや。思っただけなら未遂じゃないかなー、どーかなぁ?
「ふにゅにゅにゅ」
わたしの必死な謝罪も虚しくアイカさんの力は全く弱まる気配がない。
あ、これ間違いなく寝てる。
わたしの邪心を読んだとかそういうのじゃなくて、単に寝ぼけてるだけだ。
(こうなれば……!)
かくなる上は仕方がない。後が怖いので使いたい手では無いけれど、今は手段を選んでいる場合じゃ……!
「にゅにゅにゅ~」
「うぐぐぐ……」
よほど良い夢を見ているのか知らないけれど、このまま絞め落とされる前になんとか脱出しなければ、実に穏やかならぬ二度寝をしてしまうことになりそう。
「よっと……」
なんとか脚を引っこ抜く。
「せーのー」
そして思い切り勢いをつけて――アイカさんのスネを目掛けて踵をぶつける!
「………?!???!!」
悲鳴にならない悲鳴。
人は限界以上の痛みを感じると、それを堪えるのに必死で逆に大きな声は出ないもの。
この隙に全身を拘束しているアイカさんの腕からすり抜けた。
「ぐぬぬぬぬ……」
相当効いているのかベッドの上で悶えながら半分涙顔になったアイカさんが弱々しく声を上げる。
「な、なにごと……?」
寝ぼけているのか、咄嗟に状況が理解できず頭を振っている。
「脛蹴り妖怪でも現れおったか!」
「どんな化け物ですか、それ?」
「む、エリザではないか」
思わず口にしてしまったツッコミの言葉に、アイカさんはようやくわたしがベッドの側に立っていると気がついた。
「そなた、なぜにベッドの中におらぬ?」
いや、そんな心底不思議そうな表情をされても困るのですが。
「そりゃぁ、人の部屋に忍び込んだ不届き者から頑張って脱出したからです」
「つまり、この脛の痛みはそなたのせいであると?」
「端的に言えば、まぁ、そのとおりですね」
「そなた、存外に容赦ないのだなぁ……」
どこか非難がましい目でこちらをみるアイカさん。
一瞬こちらが悪いことをしたような気になったけれど、いやいや、被害者はわたしの方よね?
「人のベッドに忍び込んだりするからです!」
そもそも昨日ちゃんと二人分の部屋を借りた筈だし、寝る前にちゃんと別々の部屋に別れた筈。
安宿なんてそれでなくとも広い部屋じゃないし、ベッドの面積だってそう広くはない。
女性としては大柄なアイカさんが窮屈しないようにと、なけなしの予算からわざわざ二部屋借りたのに!
「えぇ……一人で寝てもつまらんだろうが」
しかしアイカさんの方はどこかピントの外れた答え。
あー、うん。
よく考えてみれば、ピントがズレてるのは今更の話だったわ。
「はいはい。とにかく部屋に戻ってください。わたしは疲れているんです。あまり手間を掛けさせないでくださいね」
「手間って、お主……余は子供ではないぞ?」
「……子供ではないというのなら、聞き分けてくださいね」
そのまま部屋から押し出し、扉に鍵を掛ける。
(ん?)
いや、最初から鍵を掛けていたハズ。なのに、アイカさんは中にいた。
鍵は壊されていないし……。
「……あの人、ピッキングまでできるの?」
「鍵開けぐらい淑女の嗜みだぞ」
扉の向こうから聞こえてくる、何故か自慢げな声。
「余も城から抜け出すために、この技を磨いたものよ」
あー……耳モ良インデスネ。
しかし心から魔族の部下の人達に同情してしまう。
きっと苦労していたんだろうなぁ……。
「それ、街の中で使ったらほぼ犯罪ですからね!」
強く言っておいたけど、多分話半分も聞いてないよね……アイカさん。
面倒だと思ってたけどドアの打掛錠もちゃんとしめておこう。うん、そうしよう。
しばらく後でドアの鍵がカチャカチャ鳴ってた気がしたけど、たぶん気のせいに違いない。
いや、絶対に。
* * *
「ようやくお目覚めか」
目覚めは最高――とはならなかった。
「あまり早い時間とは言えぬが、もう少し早く起きて良かったのではないか?」
顔を洗おうかとドアを開けたら両脚の膝を立てて踵を揃え、両腕は両膝を抱え込んだ格好で座り込んでいたアイカさんが何故か恨めしそうな表情でこちらを見ていたから。
「……昨日の晩はあまりよく眠れなかったので」
ツッコミを入れる気にはならなかったので、普通に答えることにする。
なにしろ寝ていたところを邪魔されたので起きるのが普段より遅めになったのは事実だし、今でもどちらかと言えば寝不足気味なんだし。
「む。寝不足は美容の敵であるからな。夜ふかしせぬよう気をつけるが良い」
ハイ、ソウデスネ。
誰の所為だとは言わないけれど。言わないけれど!
「……そんなことより、アイカさんこそそんな所に座り込んでなにをしているんです?」
というか、さっきから体面が悪い。
立って話しかけているわたしと、座った格好で話を聞いてるアイカさん。
端から見れば、わたしがアイカさんにこの姿勢を強要しているように見えなくもない……というか、それ以外には見えないかも?
「そんなもの、鍵開けだけでは部屋に入れなんだからお主が起きてくるのを待っていたに決まっておろう」
わーお。堂々と不法侵入を図ったことを、一切躊躇うことなく言われても困ってしまう。
「待つにしても、もう少しこう……あぁ、もういいです」
これ以上ここで話していても悪目立ちが続くだけだ。
「それで、朝からなんの用事です? 朝ごはんなら下の食堂で――」
「その前にだな、余の着替えを手伝うが良いぞ」
アイカさんがわたしの言葉を遮る。
「着替え、ですか……まぁた、唐突ですね」
「仕方あるまい。今までは付き人が――」
今度はわたしがアイカさんの言葉を遮る。
「今日まで一回も着替えなかったとか言うのでしたら聞くつもりはありませんから」
「ぬ?」
「河原で水浴びをしたことあると言っていましたし、そもそも昨日の浴場では一人で着替えしてたじゃないですか」
あ、しまった。と言いたそうな表情を浮かべるアイカさん。
「う、うむ? そうであったか? それはお主の記憶違いという奴であろう」
「そうですか。まぁでも子供じゃないんですから、着替えぐらい一人でお願いしますね!」
ピシャリと言い切って話はここまでという意思表示。
というか、昨日は友達になりたいってこと言ってたけど、実は目一杯甘えられる世話焼き女房が欲しいのでは……?
確かにそれは部下とか配下とはちょっと違う付き合い方だとは思うけど、友達ってのもなにか違う気が。
もしかして魔族の友人関係って、わたしが知っているそれとだいぶ違うって可能性もあるけど。
聞いた所でマトモな返事がもらえるとは限らないし、そもそもどんな返事であっても真偽を確認できないから一旦棚上げにする。
「ツレないのぉ……」
がっくりと肩を落としつつ、アイカさんは自分の部屋に足を向ける。
まぁ、基本的に『ダメ元』で言っているみたいで、わたしが拒否したことを無理やり押し通そうはしない――つまりわたしに配慮はしてくれているってワケで。
そう思えば、ちょっと濃厚な友人付き合いと言えなくも……ない、かも?
それに元魔王(自称)といういわばお貴族様みたいな人だし、その辺の感覚が一般人とズレてしまうのは当たり前と言えば、当たり前。
この調子が続くのはちょっと困るけれど、とりあえず今の所は様子見、ってことで……。
「余は人族の風習に詳しいわけではないが」
朝食の載ったトレイをスプーンで突きながら、アイカさんはなんとも言えぬ表情で口を開いた。
「この硬いパンといい、塩味しかせぬ汁物といい、人族は食事をなにかの鍛錬にでもしておるのか?」
目の前のトレイに載っているのは黒パンに野菜スープ、それに干し肉が一切れ。
わたしがいつも食べている、特に代わり映えのしない朝メニュー。
「一日の始まりがこんな食事では、力もでるまいに」
「そういう趣味の人がいないとは言いませんが」
そりゃお世辞にも美味しいとは言えないし、追加料金さえ払えば目玉焼きやベーコンだって付けられるけど。
そう、追加料金を払う余力さえあれば。
「わたし達の事情に限って言うのであれば、単純にお金がないからです」
全て貧乏が悪い。
「なるほど……実にわかりやすい話だの」
アイカさんがため息を付く。
「余の砂金は……簡単には換金できぬと言っておったか」
あれだけの砂金があれば、この宿屋丸ごと買い上げてもお釣りが来るんじゃないかな。
というか制度とか決まり以前に、あれだけの砂金を換金できるほど資金力がある商店が存在するかどうかの方が心配だけど。
「いくら安物と言えども、もう少しやりようがあると思うがなぁ」
不満げな表情を浮かべつつも食事を続けるアイカさん。
そう言えば、魔族はやたら食にこだわるって噂を聞いたことがあるような。
あちらの料理人は、どんな貧相な材料からもそれなりの料理を作り出す技に秀でてるとかで、そういえばこちらでも魔族の料理屋を見かけたことがある。
生憎わたしはお世話になったことがないから味について言えることはないけれど、それでもこの黒パンと売れ残り野菜メインスープよりは確実に美味しいだろう。
「まぁ、上手い飯は先の楽しみにとっておけばよいか。質素な食事というのも、それはそれで趣があるものだしな」
あらま。随分と物分りの良い。
魔王と言えば魔族の上級階級で人族で言えば王族や貴族に相当するワケで。
何かとお高くとまっている貴族連中が、質素な食事に趣があるなんて言ってるところは想像の中でですらあり得ない。
というか今更だけど、平民であるわたしにこれほどフランクなのも珍しいというかなんというか。
「それでだ」
なんのかんの言いながらもスープを最後の一滴まで飲み干しつつ、アイカさんが言葉を続ける。
「食事の後はどうするのだ? 見て回るだけでもそれなりに時間が潰せそうな街ではあるが、なんならまた一暴れしに出かけても――」
「それよりも先にやってもらわなけりゃならんことがある」
アイカさんの言葉は最後まで続けられなかった。
わたしたちの座っているテーブルへと一直線に向かって、ブラニット氏が声を掛けてきたから。
「ギルドマスターがお呼びだ。まずはギルドハウスまで来てもらおう」
「……ブラニットさん自ら呼び出しとは珍しいですね」
自然にため息が漏れる。
「そこの女のことを考えれば、他に適任者がおらん」
こちらの考えを察したのか、聞いてもないことを答えてくれるブラニット氏。
「ふん。大層な言われようだな」
「自覚がねぇのか知らねぇが、たかがゴブリンとは言えあれだけの数相手に大立ち回りできる奴。挙げ句に魔族とくれば、用心しすぎることもねぇだろうさ」
あー、それもそうか。
わたしなんかはもうアイカさんに悪意はないだろうと判断しているけど、ギルドから見れば正体不明で魔族な実力者なワケで。
確かに用心し過ぎて困ることはないか。
それにしたってギルド職員ならともかくギルドガードともあろう方がわざわざこんな下っ端を呼び出しに来るなんて、どう考えても本人が言う所の『面倒臭い』ことでしかないと思うのだけど?
「……面倒臭いに決まってるだろうが」
む。また考えを読まれてしまった。
そんなにわかりやすく表情に出てるのかなぁ……いかんいかん。精進しないと。
「だが、ギルドマスターの指示を無視した方が余計に面倒なことになる」
ま。そりゃそうか。上司の言うことには逆らえないもんね。
ただ、まぁ……毎度毎度何が面倒臭いか考えているのは面倒じゃないのかしら?
「了解、了解」
うむ。まぁ、ブラニット氏のことは置いておこう。
わたしにどうこう出来る話じゃないし。
「どちらにせよギルドには一度顔出しておかなきゃだしね」
昨日のゴブリン退治の顛末は報告しなけりゃダメだし、そもそもギルドカウンターに顔を出さないと報酬も貰えない。
「それで、ギルドガードさんはわたし達のエスコートを?」
「お前達が途中で逃げ隠れするとは思えんし、俺だって飯ぐらいは食いたい。それに――」
「それに?」
美女二人に囲まれるという魅力あふれる提案を、ブラニット氏は軽く肩をすくめて軽く流した。
「お前達のエスコート? 冗談じゃない。オレは面倒が嫌いなんだ」
いつもの決め台詞を残した後、ブラニット氏はもうこちらを見ることもなく食堂のカウンターへと歩み去って行った。
「やっぱり、人に対する礼儀という奴をだな、教育してやる必要が……」
ボソリと物騒なことを呟くアイカさん。
「……やめてください」
この人、まだ諦めてなかったのか。
どんだけブラニット氏と一戦交えたいのだろう……魔族の人ってそんなに血の気が多いんだろうか?
「そうは言うがな、余らの間では腕に覚えがある者は強者に挑んでこそだからなぁ……それを無視するのは失礼ですらあるぞ?」
あー、うん。
これが本人の特徴なのか種族的な特徴なのかはちょっとわからないけど、一般的な魔族はもう少し穏健だと良いなぁ……。
あぁ、いや。
万が一、これ以上魔族の知り合いが出来ても……その、困るから考えないようにしよう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます