第5話 ご挨拶とステータス
さて、アリシア早期仲間ルートによりエクストラスキル【共有者】も取れたことだし、早速モンスター退治に出かけよう。
このまま、家に帰るとイベント発生で時間経過が発生して、モンスター退治が出来なくなる。それではダメだ、ダメなんだ。だって‥‥‥‥折角ブレイブになれたのに、モンスターと戦えないとかつまらなさ過ぎる。
現在はブレイブとアリシアの二人の年齢は10歳の少年期だ。最終的に物語終了時の年齢は18歳になる。つまり後8年しかこの世界を楽しめない。
そう考えると一秒たりとも無駄にはしたくない。少しでも、この世界を楽しまないと損だ。と言う事で、今すぐにでも、村を出なくては。
「アリシア、村を出てモンスター退治に行こう」
「え、危なくない?」
「大丈夫だって、俺が洗礼で貰った力で守ってやるから」
「‥‥うん、分かった。行こう、ブレイブ」
「ああ。よし、村の外の森に行こう」
□
アリシアと共に村の外にある森にやってきた。
周囲は高い木に囲まれていて、日が昇っているのに、薄暗い。木が日光を遮っているから、日の光が差し込まないんだな。ゲームの時もやたら暗いが、こういう理由だったんだな。謎が解けてちょっとうれしい。
さて、森に来たはいいが、今すぐに戦闘じゃーーー! とはいかない。今すぐ戦っても倒せるが、戦闘時間が掛かる。それは面倒くさい。だから武器を手に入れよう。
俺は森の中に足を踏み入れていく、その足取りに迷いない。俺の後ろをアリシアが付いてきている。そうして、少しすると其処には、一際大きな樹がある場所に出た。ここまで、モンスターとの遭遇は無い。まあ、この森はランダムエンカウントではなく、シンボルエンカウントだから、遭遇しないルートを選べば、こんなもんだろう。
「うわあああ‥‥大きな樹」
アリシアは感嘆の声を上げる。いやあ、俺も驚いた。ゲームだと、画面に樹の天辺まで描写されていないから、どれくらいの大きさか分からなかったが、高層マンションを下から見上げているような程の大きさだ。
おっと、ここに来た要件を済まさないと、時間が勿体ない。
俺は樹に手を当て、その樹に語り掛けた。
「初めまして、俺はブレイブだ」
俺は樹に向かって自己紹介から始めた。初対面の相手にはまずご挨拶、これ基本な。
「今日、俺とアリシアは洗礼を受けてきた。だからここにモンスター退治にやってきた。静かな森に迷惑はかけないようにするから、ちょっとだけ失礼するな」
さて、これでいいだろう。俺は手を放し、その場を離れようとする。すると、風が吹いた。
「うわっ!!」
「キャアッ!!」
木の葉が舞、木々が揺れる。まるで森全体が動いているような、大きなざわめきが起こる。そして、何かが飛んでくる。俺の目の前に、一本の木の棒が突き刺さる。すると、森は一瞬で穏やかな様子に変わった。
「これは‥‥」
俺はそれに近づき、引き抜いた。
『【イベント:森の歓迎】をクリアしました。武器【立派な木の棒】を獲得しました』
よし、武器ゲット!!
このイベントは森に入って、一番大きな樹に挨拶を行うと、この武器【立派な木の棒】がもらえるんだ。この森には【木の棒】という武器がそこら中にあるが、それを取ってしまうと、この武器がもらえなくなる仕様だ。
別に戦闘する上では【木の棒】でも問題なく戦える。だけど、この【立派な木の棒】の方が攻撃力が高いんだ。どうせ使うなら、少しでも攻撃力が高い方がエンジョイが出来るもんだ。
「ありがとう。大事に使わせてもらうよ」
俺は【立派な木の棒】をくれた大きな樹に向かってお礼を言った。
すると、森に優しい風が吹く込んだ。
□
さて、武器も手に入れたことだし、早速装備してみるぞ!
その前に、RPGの定番をやらないと‥‥‥‥ステータスオープン!!!
【名前:ブレイブ】
【性別:男】
【年齢:10】
【レベル:1】
【クラス:剣術師1】
【HP:10+5】【HP:15】
【MP:5+2】【MP:7】
【筋力:5+2】【攻撃力:10】
【体力:5+2】【防御力:8】
【敏捷:5+2】【機動力:8】
【知力:5+2】【魔法攻撃力:7】
【器用:5+2】【命中力:7】
【幸運:5+2】【幸運:7】
・所有スキル
【共有者】
・戦闘スキル
剣術スキル
・移動スキル
-
・装備
【武器:立派な木の棒(攻撃力+3)】
【鎧:ブレイブの服(防御力+1)】
【靴:ブレイブの靴(機動力+1)】
おお!! ステータスが見えたぞ! 基礎ステータスはやっぱり低いな。まあ、レベル1だし、こんなもんだろう。ステータスの+で現れているものがスキル補正値だ。エクストラスキルの【共有者】のおかげでステータス値が1.5倍になるので、その分が追加されている。ただ、小数の部分は切り捨てられるので、奇数のステータスは若干勿体ない。まあ、微々たるものだし、気にするほどでもないが。
装備品のところにちゃんと【立派な木の棒】がある。俺が武器として思っているからなのかな、良く分からないが持って戦うことになるから表記されてるんだろうな。
うんうん、RPGとはやっぱりこういうステータス画面の変化を見ているのが楽しいもんだ。RTAだと、じっくりと眺めている時間がないから少し味気ない。
よし、これで準備は万端。行くぞ、戦闘だ―――!!
「さあ行くぞ、アリシア!!」
「待ってよ、ブレイブ―――」
俺はテンション高く、勢いよくその場を後にする。アリシアも後に続く。
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