第217話 褒められて馬の並足春の雲


 

 

 

 犬と同じくらい馬が好きなホカリは、機会を見つけては馬に触れて来ました。


 観光乗馬牧場で機嫌よく乗せてくれた馬が、コースを一周してもどって来ると、誇らし気にたてがみをなびかせながら、やわらかく土を踏んで並足になりました。


 手綱を取る調教師が「よおしよし、いい子だな」しきりに褒めてやっています。

 

 ――だれだって怒られるより褒められるほうがいいよね~。(´;ω;`)ウッ…

 

 一所懸命に仕上げたつもりの仕事を「この程度でいいと思っているのかっ?!」上司から頭ごなしに罵倒されて、目途を失いかけていたホカリは、うれしそうな馬から伝わって来る体温に心まであたためてもらいながら、そっと涙を拭いました。

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