第215話 あふあふと北を仰ぎて残る鴨
3月に入ると、川や湖の渡り鳥たちは、いっせいに北への帰り支度を始めます。
でも、病気になったり事故で怪我を負ったりした鳥は、何千キロもの飛行に堪えられないので、夏の間もこの地に留まらねばなりません。そう、留鳥のように。🐥
🌅
置いて行く鳥の上を何度も旋回して別れを惜しみ、やがて意を決したように北の空へ消えて行く仲間の群れを「あふあふ」と哭きながら見送る鳥の哀れさは……。
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