第214話 ちらと見せ幼きおでこ春一番



  

 

 春一番は想像し易いそよ風ではなく、荒々しい、どちらかと言えば冷たい風と知ったのは俳句を始めてからですが、いずれにせよ高原都市の住人にとっての春一番は、長くきびしい冬からの解放を告げる、自然からのウナ電にちがいなく……。

 

 

                 🍃

 

 

 歩き始めた幼子が吹き飛ばされないよう真新しい靴を踏ん張って立っている。

 やわらかな前髪が吹き上げられ、一瞬、可愛らしいおでこが剥き出しに……。


 人の営みの愛しさを象徴する情景は、いつまでも胸の奥に瞬いています。👶

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