第213話 膝に顎うめ春宵の音を聴く


 

 

 

 ――夕方より朝のほうが、よりさびしい……。

 

 先達の詩人や俳人たちが言うとおりですし、昨今は独り暮らしが推奨される傾向のようですが、日常的に話す人がいないと、やはり、さびしいはさびしいのです。

 

 

                 🍃

 

 

 で、ひたひたと近づいて来る宵の足音を、膝に顎を埋めて聴いているのです。

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