第176話 せせらぎは勿忘草の水かがみ
やんちゃ坊主だった黒犬は、近くの小川に、ざぶざぶと入るのが大好きでした。
流れの両岸には水色の勿忘草がびっしり咲いていて、その可愛らしい花ばなを、黒犬はまるでおかまいなしに蹴散らしながら、ずんずんと歩いて行くのです。🐕
――やれやれ、困った坊やだこと。❀
勿忘草の花のさんざめきが聞こえて来るようで、いつも恐縮していたものです。
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