第177話 花なづなちろちろ鳴らす帰り道

 

 

 

 子どものころ、悩みなんて、ひとつもなかったような気がするなあ。(^.^)/~~~


 郊外の農村部から街の小学校へ入学したときは、同級生がみんな都会的で、自分ひとり田舎者で、見るもの聞くものびっくり仰天の連続で、もともとの内気にさらに拍車をかけられ、なにか言われるとすぐ真っ赤になってうつむいてばかりいた。



                  🏫                



 親が公務員や教師、商店主が多い街の子どもたちはお洒落でおませで、あのころ早くも英語塾に通っている子どもまでいたが、遅く生まれた農家の長女のフユコは英語どころか、へんに力んで自分の名前をひらがなで書くのがようやっと……。


 だけど、それでも困ったとも、どうしようとも思わず、朝になると近所の年長に連れられて登校し、帰りは道端のナズナを摘んで鳴らしながら帰る4キロの田んぼ道を遠いとも思わなかったんだから、やっぱりぼんやりだったんだろうね。(*'ω'*)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る