第166話 絵硝子に午後の日差や水温む
いつもは朝食もそこそこに、朝一番に診察予約を取りに出向く心療内科ですが、その日は午前中に所用が重なったので、珍しく午後の受診になったケイコです。
比較的空いていたこともあって、少し時間がズレただけで、待合室の風景はどことなく雰囲気が異なって感じられ、この時間もわるくないなと思ったりして……。
👼
そのとき、西の高窓から一条の陽光が射しこみ、天井近くに描かれたステンドグラスを明々と照らし出しました。それまでは気に留めたこともなかったのですが、そこには美しい花ばなに囲まれた白い羽のエンジェルたちが無心に遊んでいます。
まさに、心を病む人たちにぴったりの、安らぎに満ちた硝子絵。4年目の通院に入ったケイコは、自分の名が呼ばれるまで天使たちの会話に耳を傾けていました。
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