第128話 独り居の水仕かんたん寒昴

 

 

 

 

 水仕事はきらいではありませんが、一緒に膳を囲む人がいないと、あれこれ献立を考える張り合いもなく、ついつい、あり合わせの夕餉になるのが常でして。(:_;)


 主菜も副菜も盛り合わせたワンプレート&スープ皿&箸をささっと洗い、小さなシンクを水滴ひとつ残さないようにきれいに拭き上げ、たっぷり時間をかけて歯を磨くと、もう宵と呼べる時間にさしかかっていて……。寝室の窓から見上げると、カチカチと凍える星空に、ひときわロマンティックな昴が霞みがかっています。



                 🌌



 かつてのにぎやかな4人家族が、子どもの成長とともにひとりずつ減って行き、現在は、いえ、これからもずっと独り暮らしのコズエが、夜の底を長方形に切り取ったような小窓から星空を眺めていることを知っている人はだれもいず……。

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