第106話 美女宅の美猫の艶や竜の玉


 

 

 

 ――ちんまり。

 

 そう表現するのが一番ふさわしい猫ちゃんが、ウタコの家の庭に座っています。


 「あら、おはよう!」声を掛けると、ほんのちょっとだけ身じろぎはしますが、競走馬で言えば「アーモンドアイ」、あるいは庭の隅でいましもサファイアブルーの実を付けている竜の玉みたいな双眸は、じいっとウタコの目を見詰めたままで。

 

 

               🐈

 

 

 ――ねえ、猫ちゃん。あんた、自分が可愛いって知っているでしょ?

 

 目顔で問いかけても、お行儀よく揃えた前足を崩しもせず、ちんまり座ったままの猫さんの飼い主さんは、これまた年増ながら絵に描きたいような別嬪さん。(^.^)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る