第97話 橋渡るわれも入れての冬景色
橋の上はことさらに北風が強く、ときには防寒靴の足を払われそうになります。
なので、冬場はなるべく川の方面へ行かないようにしているのですが、ときには都合でそうもいかないときがあり、狭い歩道をヨロヨロ漕いで来る自転車と危うくすれちがいながら、年輩者なら吹き飛ばされかねないな、と思ったりしています。
🚴
でも、あるとき重大な(というのも大げさですが)事実に気づいたのです。
――部外者だと思っていたけど、実は冬景色の一部だったんだね、わたしも。
それから自身が北風になり、橋を歩く自分を俯瞰するようになったフミです。
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