第92話 馬の目のこぼれんばかり冬の空
木曽、白樺湖、安曇野……。
残念ながら観光乗馬の経験しかないモトイチですが、馬の目というのはどうしてあんなに豊かな情愛にあふれているのか、思い出すたび胸がキュンとなるのです。
表面張力いっぱいに漲らせた涙をこぼすまいと懸命に堪えているみたいな、そのあたたかな胸の内を訊いてみたい、だけど、なにも言わなくてもわかるんだよな、夏も冬も高原の牧場で働いている栗毛の牝馬の悲しみやほんの少しの喜びが……。
――春になったら、またあの馬に会いに行こう。🐎
そう思うと、負荷の重い営業ノルマにも堪えられそうな気がしてくるのです。
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