第87話 繭になり言の葉紡ぐ霜夜かな

 

 

 

 

 霜が降りそうな夜半、毛布にくるまったマコトは自分が繭玉になったみたいで。

 いえ、繭になる直前の蚕が吐く糸のように、細い言の葉が止め処なく手繰り寄せられて出て来るのですが、手を伸ばしてスマホに記録するのも億劫で……。(;''∀'')

 

 

                 ❄

 

 

 自分が吐き出す言の葉に全身をがんじがらめに搦めとられていくと、うつし世と異次元世界の区別が曖昧になり、このままふっとかき消えてしまいそうで。(*´з`)


 薄い胸を掻き抱きながら、胎児のように丸くなって霜の音を聞いているのです。

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