第86話 襟合はす十一月の静けさに


 

 

 

 

 ――なんか、首のあたりがスウスウするんだけど……。

 

 そんなときはたいてい襟ぐりの広い服を着用しているときで、心身ともに冷え性(笑)のハツネは、慌てて手編みのネックウォーマーをかぶるか、ユニクロライトダウンジャケットのジッパーを首まで一気に引き上げるかして保温につとめます。


 気づけば11月も残り数日。日は短くなる一方ですし、朝晩の気温は真冬に向けて加速度的に低下しますし、この調子では、あっと言う間に年末がやって来そう。


しんと静かな部屋で加湿器の音を聞いていたら、玄関の郵便受にコトンと気配が。

行ってみると電気料金の検針票で、暖房をつかう前の倍に跳ね上がっています。


2020年が過ぎて行く……というハツネの感慨は、どこかへ飛んでしまいました。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る