第79話 川綯はれ枯葦綯はれ空のあを

 

 

 

 

 2本の川が合流する地点のこの橋を渡るとき、ミキオは決まって思うのです。

 

 ――源流も水質もちがう川同士が、いきなり1本に綯われるんだからなあ。🚴

 

 太古の昔からそうしてきたように、争いもせず、不平ひとつ言わずに川は綯われ、ついでに葦も綯われ、何事もなかったように北の海を目ざして流れて行く。


 その飄々ぶりが反りの合わない上司に悩むミキオには羨ましく思われるのです。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る