第64話 新月の満つるを待てば寒匂ふ
幕末の首里城を舞台にした歴史エンターテインメント『テンペスト』の再放送を観たケイコは、いまさらながら連綿とつながる歴史の不思議に心打たれています。
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完結済みの長編小説『薩摩曼荼羅』は戦国から江戸時代にかけての薩摩藩、また現在連載中の『川島芳子――家あれども帰り得ず』は、戦前までの中国(清国)と日本を舞台にしているので、それぞれの時代背景は承知しているつもりでしたが、清国と薩摩藩に二重支配されていた幕末の琉球王国の事情となると、からっきし。
一朝事あるときは、決まって巨大な龍が出現し、秘伝の勾玉が救ってくれる、ちょっと都合のいい物語構成はともかくとして、アップダウンの激しいヒロインの境遇は、利害や思惑、感情が複雑に絡み合った周囲の人びとの心そのものであり、歴史(由縁)とはまさに魂の数珠つながりであることを再認識したケイコです。
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